俺の力って……
もう本編に入りました!
引き続きよろしくお願い致します
「なぁ、どんくらいで着くんだ?」
「大体3日はかかる。」
そんな話をしながらアペルテンを旅立った……
3日もかかるとなると徒歩では行けない。馬車を使った移動である。
アペルテンから1㎞離れたところに馬車を貸してくれる所があると言うので取り敢えずついて行くことにした。
「カサカサ……」
「?気のせいか」
それにしても天気が良い。風も涼しい。この世界も悪くないかもしれない。と、俺は思い始めた。
そして気になることがある。ゲーム定番のモンスターだ。
「なぁこの世界ってモンスターとかっているのか?ここに来てからモンスターみたいなのはお前ぐらいしか見てないんだが……」
「…………バシッ!!」頬をメリアに叩かれてしまった。
「モンスターは夜に活動をする。要するに夜行性だ。だが、エスティカというモンスターは昼も見かけることがある。見かけによらず獰猛だ。」
「そのエスティカってどんな奴?」
「……」
何故か答えてはくれなかった。
そうしてるうちに馬車を貸してくれるという牧場に着いた。
メリアが馬を選んでいる。しばらく掛かりそうな気がする。
少し近くを散歩するか。草原に足を踏み入れた……。
向こうには山々が連なっている。そのまた向こうには何やら禍々しい城?みたいなものが見える……。
なぜか遠くをはっきりと見ることが出来る。
この期に及んで能力でもあるのだろうか。
草原に横たわったメリアに叩かれた頬を風に揺られている草があたる。
そしてそっと目を閉じた……
「おい、起きろ!!おーい!」
女の怒鳴り声だ。目を開けるとメリアが怒った顔をしてこちらを見ている。
「すまん。」
「馬車を借りたからもう行けるわよ。」
馬車に乗り込んだ。馬はメリアが動かしてくれるらしい。ガタガタと揺れながら草原のすぐ横にある一本道をゆっくりと進む。
すると「ガシャン!!」
なにやら馬車に何かが当たったらしい。
外に出ると馬車が壊れている。
「ここは危ない隠れてて!」とメリアに言われたので言われたとおり近くの木の影に身を潜めた。
「グォォォ……」
何やら鳴き声がこちらに近ずいてくる。
メリアは腰につけている短剣を構えた。
「グォォォォォ!」変な頭の形をした人型のモンスターのような奴がメリアに向かっている。
モンスターはメリアにパンチを喰らわせようとするがメリアは素早く回避し、短剣を突きつけた。
が短剣が折れてしまった。このモンスターはゲームによく出てくる石のように硬い奴だと、悠日は思った。メリアは折れた短剣に目がいっている。
モンスターがさっきのパンチの姿勢に入った。
「メリア!危ない!」
「…………。」メリアには聞こえていない。
俺は全速力でメリアの前に立ち両手を広げ自らがパンチを受けた。はずがモンスターにはいくつもの光の線が突き刺さりこれでもかと言うくらいこなごなになってしまった。
何が起こったとだろう自分にも理解ができない。
メリアもこちらを見ている。
「今の何?」メリアに言われると俺は首を傾げた。
「悠日……あんたすごいわ!」と褒められてしまった。
「あの……その短剣……」俺が聞くと
「これお父さんが持っていた短剣なんだ。」と言われた。この先は聞かない方がいいと察した。