初めての交戦
お久しぶりです。
突然背後から強烈な悲鳴が聞こえてきた。
決して驚いてなどはいないが、少し身体が反応したのでそのまま悲鳴のした後ろを振り向いた。
「これが最初のイベントか…!」
そこには明らかに雑魚も雑魚な小柄なゴブリンが一体市場に現れていた。
「まずはここで、俺様が華麗に討伐してこの市場の英雄として異世界での一歩を刻ませていただくとしようかな」
そう呟くと良太は逃げ惑う民衆とは逆に悠々と歩いて行った。
ザッ………
いざゴブリンの目の前に到着した時、良太は鼻で笑った。
「おいおい俺より先にかませ犬がわざわざ用意されてるみたいだ」
そこにはこの市場の用心棒なのか震えながらゴブリンと向かい合っている小さな人間がいた。
その小さな人間は震えながらもゴブリンに必死に説得をしている。
「お、おい!ゴブリン!!言葉は通じるのかわからないけど大人しく森へもd…ブハァ‼︎」
小さな人間はゴブリンに殴られて吹き飛んでいった。
「まあ最初のかませ犬なんてこんなもんだよな。」
良太が笑いを堪えている時にも、小さな人間はまだ立ちあがろうとしているのかプルプル震えながらも立ちあがろうとしている。
「雑魚が抗っている姿は面白いがわざわざボコボコにされているのを見過ごすのは気分が悪いな。」
良太はそう言い、小さな人間を押し除けゴブリンの前に立った。
ゴブリンの大きさは130cmほど、良太からすれば小学4年生くらいのクソガキをお仕置きするくらいなんてことはないので普通に足払いをしてゴブリンをボコボコに殴った。
ゴブリンを5分ほど殴った頃だろうか、突然ゴブリンが小さな赤い透明な石と経験値を残し消滅した。
「なんだこんなもんか、最初の敵だから仕方がないが手応えもクソもないな」
良太はそう思いながらプレイヤーレベルが4に上がった。
ふむ、ゴブリン1体でここまで上がるのであれば上等であろう。それよりもこの変な石はなんなんだろうか。
良太はそう思いながら手についた赤い体液を振り払いながら鑑定してくれそうな店を探すのだった。