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ブルームーン ~震災悲話~  作者: 石渡正佳
第4章 廃棄物調査
49/91

49 ゴシックロリータ

 黒服の案内でボックスに移動すると、プラダではなくヘルプの子がついた。自己紹介したが涸沼は上の空だった。女の子全員がゴスロリ(ゴシックロリータ)風のレース飾りがあるダークカラーか白のミニドレスを着ているのが特徴の店だった。涸沼にはまるで関心がなかった。気乗りのしない会話で時間をつぶしていると、延長ぎりぎりでプラダにチェンジした。

 「ごめんごめん、遅くなっちゃったよ」

 「いいですけど」

 「どう、いいお店でしょう。オヤジな客いないからほんと楽」

 「オヤジ嫌いですか」

 「昔の話聞くのやなの。なんか今はないのって感じ。人生リアルタイムよ」

 「なるほど、じゃあ僕はだめだ。過去引きずりまくりだから」

 「あんた、おもしろいじゃん。そういう自虐的な性格好きよ。あんたMね」

 「どうでしょう」

 「ねえ、ほんとは隣に行きたかったんでしょう。ゲロしちゃいなさいよ」プラダはいきなり警察用語で図星をついてきた。

 「違いますよ」

 「プラダ様にウソは通用しないよ。美神連合の扉をじっと見てたでしょう。隣の誰がお目当てなの」

 「一番美人は誰」

 「それならリカママね。国分町に来てまだいくらもたたないのに、仙台のVIPを総舐めよ。しかも身持ちが固いって評判。いくら美人でも股関節がゆるいのはダメねえ」

 「情報通ですね」

 「これがあればね」プラダはスマホを手に取った。

 「ツイッターかな」

 「へえ、わかってるじゃん。さっきまで隣に楓風会の会長が来てたってツイットがあったよ」

 「楓風会って」

 「ここら仕切ってるヤクザじゃないの」

 「もしかして、さっきリムジンで帰った老人のことかな」

 「かもね」

 「ツイッターでなんでもわかるって、ゴシップガールみたいだ」

 「へえ、あんたわかってるねえ。まあ、そんなとこかな」

 「もう無線の情報は、はやらないかな」

 「あんた見かけによらないね。仕事なに」

 「探偵」

 「ウソ、それはありえない。公務員とかお堅い仕事でしょう」またしても図星だった。

 「実は産廃Gメン」

 「あんたほんとおもしろいね。産廃Gメンはチバでしょ。仙台にいないよ」

 「無線屋を捜してんだ」

 「なにそれ」

 「無線で産廃ダンプを誘導する仕事」

 「ああ、まとめ屋さんのことね。最近、それってほんともうはやんないよ」

 「隣のママの彼氏がやってたんだろう」涸沼は適当に鎌をかけてみた。

 「あんた誰のこと言ってんの」

 「情報持ってたら買いたい」

 「まじ?」さすがのプラダも真顔になった。

 「本気だよ」

 「なるほどね。あんたのマジド(本気度)試してもいい」

 「どうすればいい」

 「ここに看板までいて、あたしとアフターして。そしたらリカママのこと教えてあげる。それまでヘルプの子と遊んでてよ。あたし、指名の客、適当にさばいちゃうから」プラダは返事を待たずに立ち上がった。

 「わかった」涸沼は覚悟を決めてソファに身を沈めた。

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