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茜色の宝石箱  作者: 杠葉 湖
11月 それぞれの秋
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11月 それぞれの秋 パート6

 家を飛び出した姫子は、無我夢中で走りまわり、いつしか近所の児童公園へとやってきていた。

 既に夕食時を過ぎており、子供達の遊ぶ姿は見うけられず、公園の中は無人になっている。

 姫子はふらふらと、まるで吸い寄せられるようにブランコへ歩いて行くと、力なく腰かけた。

 頭の中では、先ほどのやり取りが繰り広げられる。

 そして、自分のおやつを無断で食べたうえに、追及すると逆ギレした葵の形相が思い浮かんできた。

「信じらんない!!」

 姫子は心の中でおもいっきり叫んだ。

 葵が全面的に悪いのに、自分がどなられたことが納得いかなかった。

 怒りがフツフツとこみあげてくる。

 家を飛び出して来たことも後悔していない。

 それどころか、もう、葵の顔なんてみたくなかった。

 例え泣いて謝りに来ても、絶対に許せる気にはなれなかった。

「葵の、バカーーーーーーーーーーーーーっ!!」

 空を見上げて、力一杯叫ぶ。

 その絶叫は、厚い灰色の雲の中に吸いこまれるように消えていった。

 胸の中がスッとすっきりする。

「あースッキリした」

 姫子は幾分楽な気分になると、ブランコをこぎだした。

 頭の中で、これからの計画を立てる。

 同時に葵のことも考える。

 今ごろ葵は自分のことを心配しているだろうか?

 きっと怒鳴ったりしたことをすごく後悔しているに違いない。

 まさに、後悔先に立たず。

 そう考えると、姫子はいい気味だと思わずにいられなかった。

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