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茜色の宝石箱  作者: 杠葉 湖
9月 嵐来たりて、秋遠からじ
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9月 嵐来たりて、秋遠からじ パート8

 翌日になると、すっかり雨は上がっていた。

 まるで昨日の嵐が嘘のように、蒼く澄み渡る青空。

 鳥が気持ちよさそうに大空の大海を遊泳していく。

「お兄ちゃん、姫子ちゃん。昨日はお世話になりました」

 制服に身を包んだ萌が、ぺこりと頭を下げる。

「もっとゆっくりしていけばいいのに」

 姫子が名残惜しそうに、萌をみる。

「萌もゆっくりしたいんだけど、今日は約束があるから。ゴメンね」

 萌も申し訳なさそうにぺこりと頭を下げる。

「また遊びに来いよ」

「うん!」

 葵の言葉に、萌は笑顔を浮かべて頷いた。

 今日未明のおびえた様子は、もうどこにもない。

 葵もその様子を見て、胸をなで下ろした。

「何か言い残すことはないの?このバカに」

 姫子が悪戯っぽく笑いながら、葵を指さす。

「え、えっとね、それじゃあ……」

 萌はモジモジしながら、姫子に何かを耳打ちする。

「はぁ!?んなわけないでしょうが!」

 しかし、その言葉を聞いた姫子は、途端に顔を真っ赤にして激高した。

「お、おい?一体どんなことを姫子に言ったんだ!?」

 葵は慌てた様子で萌に尋ねる。

「エヘヘ。内緒だよ」

 萌は笑った。

「それじゃあね、お兄ちゃん、姫子ちゃん。本当にありがとうございました」

 そしてぺこりとお辞儀をして、萌は玄関の戸を開けて出て行く。

「……何を言われたんだ?」

 萌がいなくなったあと、葵は姫子に尋ねた。

「知らないわよ!バカッ!!」

 しかし、回答の代わりに罵声が飛んでくる。

「??」

 葵は首をかしげるしかなかった。

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