第4話 友達を作ろう
「ヤッパリなのか」
2年たち俺は朝から鏡の前で石に成っていた、2年前から薄々は気が付いていた、だから鏡を見ない様にしてきたし、不意に自分の顔が何かに映っても気のせいと自分をダマした間違いで有って欲しかったから。
それも限界のよおだ、姿見を覗くとソコには、艶やかな黒髪を腰まで伸ばした美幼女が映っていたのだ、せめて髪の毛だけでも切れれば良いのだが、母さんが頑なに反対するのだ母さんには勝てない。
そんな事が有ったが、気を取り直して日課のトレーニングを仕様とした時、エレナを連れた母さんに声をかけられた。
「ユウ、たまにはお母さんと一緒に公園でも行かない、ユウ友達イナイでしょ?」
母さんの言葉に家から出ようとしていた俺の足は止まった、ついに来るべき時が来てしまった様だ。
俺はハッキリ言って友達作りが苦手だ、あちらの世界でも友達は1人しかイナイ、仕事や他の色々な事務的な付き合いなら、出来るのだが友達付き合いは苦手だ。
「かあさん、ぼくは、くんれんがしたいです」
「ユウは、寂しい人生を送るのね、お母さん悲しいは、ヨヨヨ」
あからさまな母さんのウソと、俺が寂しい未来を想像してしまった為、俺は折れてエレナと母さんの3人で公園に行く事にした。
公園に来た俺は、母さんには悪いが友達を作るつもり等無いので、隠れて訓練をする事にした、最近では距離こそ伸びないモノの、中々のスピードで地面を転がるBC球を操る事が出来る様になっていた。
BC球の地面での操作は完璧とは言わないがマスターできたので、空中で操れないか試す事にした。
何を隠そう、BC球は手の平の上からずれると浮力を失ってしまうのだ、そこで俺はマンガ等で重力使いが重力を操って空を飛んでいる事を思い出して、BC球に魔力を込めてみた、これが大成功手の平の上から離れたBC球は、空中をマダマダ速度は出ないが確かに浮遊していた。
そんな俺は、後ろから近づく人影に気付けなかった。
「なにしてるの」
「なにしてるんだ」
後ろから掛けられた言葉に振り向くと、ソコには俺と同じ年位の茶髪ワイルドカットの少年と、黒髪ツインテーツの少女が立っていた。
「びーしー、きゅうの、くんれんですよ」
別に隠す事でも無いので、正直に2人に話す俺、驚いていたので敬語に成っていたのは俺だけの秘密だ。
「びーしーきゅう?」
「なんだそれ」
2人が聞いてきたので、実演をしながら簡単に説明することにした。
イマイチ分からなかった様だが、俺のしている事が凄いのは何と無く分かった様で、2人は俺にやり方を聞いてきた。
俺からやり方を聞いて、早速やってみるが、ピクリとも動かせない2人に俺は、あんなりやると魔力切れを起こす事と最初は動かせないが、毎日やれば動かせる様に為る事説明した。
しばらく俺がBC球を操るのを見ていた2人だが、帰る時間の様なのでまた明日会うことを約束して俺たちは別れた。
2人の名前を聞き忘れた俺だがまた明日会うのだからその時に聞けがいいと思い、迎えに来た母さんとエレナの3人で夕飯の買い物をして帰る事にした。
明けて翌日、午前8時、昨日と同じ場所で待って居るが2人はまだ来ていない様だ、時間を決めて無い事に今更ながら気づくユウであった。
それから、1時間ほどして2人は公園にやって来た、取り敢えず自己紹介をする事にした。
「ぼくのなまえは、ゆう・ふぉれす、といいます」
ユウの言葉に2人も自己紹介していなかった事を思い出したらしい。
「おれは、ないと・うぉーかー、だ」
「わたしは、ありあ・すないぷ、よ」
俺は、昨日の晩に父さんから貰っておいたBC球を二人に渡した。
両親に同年代の知り合いが、出来たと言ったら大変な喜び様だった、俺は両親にかなり心配を掛けてたらしい、これからは、気を付けなければ。
昨日の今日ではやはりBC球を二人とも動かせない様で力み過ぎて魔力が枯渇しそうに成っていたので、今日の訓練は止める事にした、もちろん俺は2人が帰った後1人でBC球の浮遊訓練をした。
それから、1週間が経った、2人共BC球を魔力が枯渇しそうに成りながらも、少しは動かせる様に成っていた。
ちなみに、俺たちは何時も訓練して居た訳では無い、俺は毎日してるけどね、両親が心配するから普通の子供のように遊んだりもしている。
童心に帰った様で面白かった、まあ体は子供だけどね(笑)、そんなある日、昔の記憶を頼りに俺は、パチンコを作る事にした、パチンコと言ってもギャンブルの方では無いスリングショットである。
ワイ字型の手頃な木に父さんに貰った伸縮性の有るゴムみたいなヒモを縛り付けた簡単な物なのだが、初めて作ったにしては良い出来と俺は自画自賛している。
意外な事に、興味を持ったのはアリアの方で、ナイトは然程調味が無いようど、1人BC球で遊んでいる。
「ゆうくん、どうやってつかうの?」
アリアが興味津々で聞いて来るので、その辺に落ちていた木の実を拾い、適当な目標に撃ってみた。
「うん、いりょくも、ひきょりも、なかなか」
「おもしろそう、わたしにも、やらせて!」
アリアは初めてなのに中々の腕だ、これで『ピンク髪』で『弐丁拳銃』なら某ライトノベルのヒロイだな、ユウはそんな事を考えていた。