第2話 異世界転生
目を開くとそこには、見知らぬ十代後半くらいの綺麗な女の人が長く綺麗な黒髪を耳に掛けながら俺を見下ろしていた。
ココはベットの上か?どうやら俺は助かったようだ、ではココは病院でこの女の人は看護師さんかお医者様なのだろうか?、取り敢えず俺は女の人にココが何処だか聞く事にした。
「あう~。」(あの~。)
『声が上手く発音出来ない!?』
もしかすると俺は、頭を打ってしまい言語機能が可笑しくなってしまったのかもしれない、仕方が無いので起きて何か書く物を探す事にした、しかし体が思うように動かない、もしかしたらコレは、身体機能まで可笑しくしてしまったんだろうか?。
『あんだけの事故だ、体がマヒしても可笑しくない、命が有っただけでも良いとしておくべきかな』
俺がそんなこと事を考えている内に、俺が体を起こしたいのを感じ取ったのか、女の人が俺に向かい手を伸ばしてきた。
「どうちまちたか?」
なぜ、そんな赤ちゃんに話し掛けるみたいに話し掛ける?、そんな事を俺が考えていると体に有り得ない事が起きている事に気付いた、俺の体が女の人に持ち上げられていたのだ。
『そんな馬鹿な、俺の体重は80キロは有るんだ、女の細腕で軽々持ち上がる筈はない。』
そんな衝撃を受けている俺に更なる衝撃が襲い掛かる、目線に姿見が有ったので覗いて見るとソコに映る女の人が抱えていたのは赤ん坊だったのである。
『なんじゃ、こりゃ~~。』
女の人が抱えているのは俺のはず、詰まり俺が赤ちゃんに為って居たのである。
『声が上手く出せないのも、体が上手く動かせないのもこれで合点がいったぜ赤ちゃんに為ってたんだもんな。』
輪廻転生と言うのは本当に有るらしい、俺が自分で体験するとは思いもしなかったけどね。
俺が転生してから2年がたった、この2年はとにかく辛かった、何が辛かったかは体が上手く動かせない時点で皆様察して下さい、あと俺が寝てると思い隣でイチャラブしないで(泣)。
この2年で分かった事は、家族は父「ラージ・フォレス」、母「サクラ・フォレス」、俺「ユウ・フォレス」を入れて3人もちろん俺をあやしていた人が母親だ、父親は何をしている人なのか未だに分らないが、ガッシリとした体型なので肉体労働系の仕事についているのだろう、毎日服を汚して帰ってくるしな、因みに髪の毛が耳にかかる位の長さの金髪で10代後半位のイケメンだ、。
良い両親だ、不満が有るとすれば、子供も居る部屋でイチャラブしないで欲しいご近所(俺)の迷惑ですよ。
俺の近況と言えば、この2年で立って歩ける様に為った事と、少し話せる様になった位だろうか、そんなある日の出来事である。
「ふふっふ~~ん♪♪」
その日は何だか母が朝から鼻歌を歌いご機嫌だった、とても子供がいるとは思えない可憐さだ。
何か良い事でも有ったのかと、一人で遊んでいた俺が考えていると母が近づいてきて話し掛けてきた。
「ユウ」
「あぃ?」
「貴方はお兄ちゃんに為るのよ」
それを聞いて俺は昔を思い出していた。
兄弟か、弟かな、妹かな、出来れば妹が良いな前世では妹に好かれなかったもんな、そんな事を考えていると母が続け様に。
「ち・な・み・に、妹よ♪」
『母さん、グッジョブ』
聞いた瞬間、俺は顔に出ない様に細心の注意をしながら、心の中で母さんに親指を立て称賛していた。
「お父さんにはまだ内緒よ、驚かせてあげるんだから、ユウ約束できる?」
「あぃ!」
元気よく手を挙げながら母さんの声に応え妹の誕生を楽しみに待つユウであった。
それから数日後、仕事が片付かず仕事場に泊まっている父さんに、着替えを届けるため、母さんと2人で散歩しながら、父さんの仕事場に行く事に為った。
ちなみに、父さんの仕事場は俺たちが住んでいる町『プレーヌ』の外にに有るらしい、いったいどんな仕事をしているのか、少し楽しみだ。
30分ほど歩き、父さんの仕事場が見えてきた、守衛所らしき場所で手続きをしている母さんの隣で父さんの仕事場の案内板を見ていたユウは驚いていた、凄い大さだ昔社会科見学に行った自動車工場位有るだろうか、隣には同じくらいの広さの空き地が有るようだ、何かの工場だろうか?。
施設内に在る休憩スペースに案内され二人で他愛の無い会話を楽しんでいたとき突然建物の外から振動がした、ユウは慌てて休憩スペースの窓から振動のした方向を見るとユウはこれまでに無い驚きと、感動に包まれていた。
窓の外500メートル程離れた空き地に高さ20メートル程の巨人が大地を震動させながら歩いて居たのだから。
「やあ、2人とも待たせたね」
ユウが1人興奮しているとそこにラージが休憩スペースに入ってきてユウを抱き上げる。
「二人とも変わり無いようだな」
「はい、あなた」
「とうさんあれはなんでちか!」
母さんから着替えの入った鞄を受取ろうとしていた父さんに、ユウは興奮した口調で窓の外の空き地を歩いている巨人を指さしながら聞いた。
「そおか、ユウは見た事無かったか、アレは我が国『ラモンターニュ』が世界に誇る巨大人型兵器『鋼人騎』だよ」
「こう、じんき?」
「あらおら、ユウもヤッパリ男の子なのね、ふふふ」
サクラが微笑ましそうに、父と息子の会話を見守りながら声を発した。
しばらく家族の時間を楽しんだが、ラージが仕事に戻らなくてわイケない様なので2人は帰る事にした。
太陽が傾き始めたプレーヌの町中を歩く一組の母と息子がいた、息子は興奮が納まらないのか母親を質問攻めにしていた、母親も息子の質問に楽しげな笑みを浮かべながら、出来るだけ解りりやすいように答えていた。
家に帰り着き、晩御飯を済ませ、お風呂に入りながら今日の出来事を振り返っていた。
『まさか、輪廻転生しただけでなく、昔ラノベ好きの友人に無理やり読まされたファンタジー小説のように異世界転生していたとわなビックリだ、道理で国の名前に聞き覚えが無いわけだ。
かし巨大人型兵器が有る世界とは有り意味じゃ俺はついていたな、絶対に鋼人騎の操縦者に成ってやるぜ』
お風呂から上がったユウは、鋼人騎の操縦者に成るためには何をすれば良いのか考えながら布団に入り就寝したのである。