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世界はレアアイテムであふれてる  作者: とびー
第七章「白の世界」編
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逃亡

《???》


 走る。

 見渡す限り真っ白な世界を、方向も定めずにひたすら逃げ続ける。

 背後からは、未だに雪煙と共に恐怖が追いかけてくる。

 

 ――いつまで、こうやって逃げていればいいんだろう。


 仲間たちにはとっくの昔に置いて行かれてしまった。残っているのは、自分だけ。

 自分だけが、この白い世界で、あの白い化け物からいつまでも逃げ続けなければいけない。


 手に持ったナイフを握り込む。

 拾った欠片を、木の塊に刺し込んだだけの簡易的な武器。けれど、あの化け物をどうにかできる道具は、これしかない。

 目標は眼球だ。

 巨体のため随分と高い位置にあるが、頑丈な甲殻を避けて確実にダメージを与えるには、あそこに投げ当てる以外の方法がない。


 別に倒せなくていいのだ。奴の目を晦ませればそれでいい。

 そして、最終的に自分が安全な場所まで逃げられれば。


 足を止め、迫りくる化け物へと向き直る。

 急いで呼吸を整え、心音が収まるのを待つ。まだか。早く収まれ。

 化け物はもうすぐそこまで来ている。もう無理だ。やるしかない。


 ナイフを振りかぶり、一投。


 その切っ先は、目標の大きく下、化け物の肩の甲殻に突き刺さった。


 もうダメだ。

 化け物が腕を持ち上げる。

 もう距離が詰まってしまった。武器も残っていない。また走り出す体力もない。


 僕《・》は絶望し、せめて自分の存在を世界に残すかのごとく、吠(・)え(・)た(・)。


 ――助けて。誰か。

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