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夜桜の舞  作者: 上条輝
序章
4/6

保険医の暇つぶし

保健室で寝てみたかった…。

頭に鈍い音が響き渡った様な気がする。


拓海「んっ……ここは?」


俺はさっきまで確か運動場にいたはず何だけど…。


何でいつも寝ている保健室のベッドに寝かされてる?


どんな経緯でここにいるか天井を見上げながら考える事にした。


拓海「月哀月夜見……って言ったな…」


拓海「昨日の女の子が学校に転入してきて、同じクラスになって色々世話を焼いた記憶が……」


拓海「えーっとそれから…始めの授業何だっけ?」


って言うか二年の初日のくせに、いきなり授業が3時間あるってどうよ?


保険医「なに一人で現状解説しているんだ八城夜?」


拓海「なおちゃん先生‼ いたんッスか⁉」


尚子「その呼び方は止めろと言ったぞ」


彼女は我が校の保険医、土方尚子27歳である。


尚子「黙れよ」


拓海「それよりなおちゃん先生、どうして俺はここに?」


尚子「こいつ…っ…!」


尚子「……こほん……1限目で何したか覚えてるか?」


拓海「えーっと……1限目は体育で女子と合同でサッカーに決まったんだっけ…」


尚子「そうだ」


拓海「それでどうなったんですか?」


尚子「大方察しはついてるだろ? まあいい…」


おデコに貼ってる湿布と関係あるんだろうな…。


尚子「サッカー部員の加減間違えて放ったボールから、転入生を庇って気絶した……そう聞いてる」


拓海「……それで今まで寝てたんですか?」


現役サッカー部員の脚力、侮れないな…当たったのが俺でよかった。


尚子「ちなみに今は16時だ、お見舞いはかなり来てたぞ? そのボールを放ったサッカー部員やら、庇った転入生やらその他違うクラスから沢山な」


尚子「お前って意外と顔は広いんだな」


拓海「…そうだったんですか……あの」


尚子「なんだ?」


拓海「なんで俺のカバンあるんッスか…」


尚子「余りに起きないから病院に連れて行こうと思って、持ってこさせたばかりだったが、どうやら必要なさそうだな」


拓海「はぁ、それはどうも…」


……なおちゃん先生の机に乗ってるあたかも弁当箱に見える物体の方が、俺は興味をそそられた。


拓海「なおちゃん先生……その弁当箱…」


尚子「ん? お前の弁当だが美味かったぞ?」


拓海「やっぱり……俺のか」


尚子「3時間しかないのになんで持ってきてんだよ」


拓海「帰ったら親がいないから作ってもらってたんッスよ!」


尚子「そうか残念だったな、また頼む」


拓海「生徒の弁当横取りして何が楽しいんですか⁉」


尚子「私なりのスキンシップだ、そう怒鳴るな」


尚子「それに私の言い分としたら、持って来る奴が悪い、だ」


……なんでこんな人が保険医やってんだ…。


保険医はもっとこう…包容力のある人がやるもんじゃないのか? 俺がアニメから学んだ中の一つだ。若さはクリアしている…問題は性格だな…。


親しみやすい先生と言えばそうなんだが…。


拓海「…先生は…なんで保険医になったんですか…?」


尚子「友達に白衣が似合うと言われたからだ」


拓海「それで何で保険医に繋がるんですか…」


尚子「友達が目指してたからだ」


なにこの人…。


拓海「も、もう良いです…」


尚子「なんだ失礼な奴だな、大層な理由よりも今が良ければそれで良いんだよ」


拓海「先生……彼氏います?」


尚子「八城夜…私の容姿でいないとでも? みくびるなよ」


拓海「そうかいないんですね♪」


尚子「……」


先生が机の引き出しに手をいれたかと思ったら…。


拓海「ハ、ハサミを眼球に向けないでください…」


少しでも前に進んだら刺さってしまいそうだ……なおちゃん先生の目は狂気に満ちてるし…。


尚子「いるからな…」


拓海「わ、分かりましたからハサミを下ろしてください…」


ガラガラガラッ。


保健室の扉が音をたてた瞬間に、なおちゃん先生は神速のスピードで、俺に向けているハサミを机の引き出しにしまった。


女子「先生、拓海は起きましたか?」


尚子「ええさっき目を覚ましたわ、良かったわね音々さん」


拓海「ね、会長…」


俺の窮地を救ってくれたのは、生徒達のトップである生徒会長で幼馴染の天林音々だった。


音々「よく寝てたわね拓海」


拓海「ああ…」


チラッとなおちゃん先生を見ると、子供のような笑顔で俺が求めてる答えを教えてくれた。


尚子「音々さんはさっきから何回も様子を観にきてたのよ?」


音々「ちょっ…先生っ! それは言わないでって約束したじゃないですかっ⁉」


尚子「ごめんごめん! 八城夜君を見たら話したくなって♪」


尚子「ついでに付け足すなら、カバンを持って来てくれたのも彼女」


音々「先生〜っ‼」


尚子「音々さんはいじると可愛いから、つい♪」


音々「もぅ〜っ!」


音々「……」


こっちを何故か音々は睨みつける、ちょっと待て俺は悪くないだろ⁉


音々「何とか言いなさいよっ!」


拓海「えっ! 俺⁉」


尚子「クスッ…」


笑わないで下さいよ‼ あと全然俺の時と口調違いますよね⁉ 知ってたけど!


拓海「ご…ご心配おかけ致しました…」


音々「ふん、よろしい。付いてきなさい‼」


拓海「えっ…ちょっ…」


そう言い残すと保健室から音々は出て行く。


尚子「ほらっ! ご指名だ行って来い」


なおちゃん先生は軽く俺に向けてバックを投げ付ける。


拓海「いつか何か奢って貰いますからね⁉」


掴んだバックを肩にかけ、先に保健室を出た音々の後をせかせかと追いかける。


尚子「はいはい」






音々に追いつくと、何故か俺は廊下を歩きながら言い訳を聞かされていた。


音々「生徒会の役員が怪我をしたから心配しただけであって、アンタが役員じゃなかったら心配何ってしないんだから‼ 分かってるわね⁉」


拓海「はいはい…」


音々「私は会長として……組織のリーダとして部下を心配するのは当たり前なの‼」


拓海「分かったから、何もお前に期待なんかしちゃいねーよ」


音々「何よその言い方‼ せっかく私が心配してあげてるのにっ!」


拓海「会長として…だろ?」


音々「……そ、そうよ‼」


拓海「なぁ、俺は自分の意思で生徒会に入ったんじゃなかったよな?」


音々「うっ…」


拓海「誰かさんに無理矢理いれさせらられた筈なんだけど、誰だったかな〜?」


音々「う〜っ……」


音々「……」


音々「……しです」


拓海「聞こえないな」


音々「私ですっ‼」


拓海「ははは、よく出来ました〜♪」


悪いとは思ってるが音々をからかうと何かと面白いから、なかなかやめられないでいる。返って来るのはいつも暴力っていうのが頂けないが…。


音々「ばかぁっ‼」


バスッ‼


自分のカバンで思いっきり俺の顔をぶん殴る。やっぱりな。


拓海「いつぅ〜っ!」


音々「死んじゃえばぁーかっ‼」


捨てゼリフを吐き音々は靴箱に走って行った。


拓海「いてて……靴箱に向かったって事は、今日の仕事は終わってるのか…」


生徒会の仕事の合間をくぐって、俺の見舞いしに来てくれてたんだよな…。


素直にお礼言えば良かった…かもな…。


俺もあいつも…ずっと肝心な所で素直になれないからな…。


ゲームのような選択肢を挙げるなら二つだ。


走って音々を追いかける。


普通に歩いて帰る。


当然俺は……。


どうも最近携帯の充電機が潰れて絶望に暮れていた上条です。

一時、携帯を手放す事になったけど余り携帯の有り難みとかは感じませんでした(笑)


前書きで書いた通り保健室で授業をサボる様な事をしたことがないので、私凄い心残りがあったりします(笑)

まぁ、今さら嘆いても遅いので小説? にその思いを綴っています。


とりあえず皆々様、充電機の破損にはご注意を!

宜しかったら暖かい応援下さい…。

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