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幕間
焼け焦げた家。
鉄臭い匂い。
ゆっくりと確認するようにカイルは深呼吸してから、村の外へと足を進める。
村の入り口。
風に晒されてボロボロになった紙があった。
「……読めないな」
「別に良いだろ? 読めなくても」
「……そうだな」
貼り紙を手に取り、ぐしゃりと丸めて捨てる。
もう、要は全て終えた筈の村の方をカイルが振り返る。
「……どうかしたか?」
「鳴き声……?」
家畜の声が風に乗り静かになった村から聞こえてきた。
「俺も……世話してた……」
被害の少ない村はずれの家畜小屋をカイルは虚ろな目で見つめる。
「確かに……懐かしいなぁ……」
ノアはカイルを労るような視線を向ける。
両親を亡くして、自分で何とかするしかなかった。
一人で途方にくれてた時に、一緒にいてくれたのが……。
「……ノア」
「ん……?」
「約束……」
自分の手をぎゅっと握り締めるカイルの横にノアが寄り添い、微笑みかける。
「……分かってるよ」




