この世界の野球
少し文字数増やしてみました。これまでよりボリューミーになる分少し投稿頻度が減ってしまいますが許してください。
ついにこの日がやってきたぜ…
この世界に転生して初めて野球を見るのだ。
「あと少しだから頑張れよマサト」
父はこういっているが実のところずっとこの言葉ばかり言っているせいで説得力が全くない。
「おっ、見えたぞー」
そこに見えたのは見慣れたグラウンドだった。
「おっやってるやってる」
「おいおい初めて見た割には見慣れてるような反応じゃねぇか」
おっと危ない危ない、この世界では野球に初めて会うんだっけ?
「こんにちは、始めてみる顔やな〜、新入りか?」
「あっ、はい。」
どうやらこの人が監督らしい。パッと見は投手してたっぽいんだが……実際はどうだろうか。
「初めまして。うちの子がお世話になります。」
「おっマサヒコやないか、久しぶりやな〜」
「ご無沙汰してます!」
少し話を聞いたところうちの親と監督さんは知り合いらしい。なんでもうちの父親は昔野球をしてたらしい。だけど野球なんかよりも他のスポーツの方が人気だった当時は煙たがれたらしい。
だから俺が野球したいって言ったら少し嫌がってたのかもしれない
「それで、君の名前は?」
「マサトって言います。」
「マサトって言うんやな〜、分かったわ。ほな仲良くしようや」
そう言って握手を俺たちはした。
そうして挨拶は終えて本題に入った。
「そんで君の能力を測らせてもらいたい」
どうやらこの世界はまずどれだけ動けるかというのを魔法で測るらしい。
確か俺の世界で言うとかで言う体力テストってやつという認識でいいと神が言ってた気がする。
そうそう神は転生する前の世界を循環世界、この世界を等角世界と読んでるらしい。名付け方は適当らしい。それっぽくなったから良かったものを、もし変だったらどうなってたか……考えるだけでも怖い。
そして体力テスト的なのは主に3つに別れている。体力、瞬発、そして魔法力だ、なんでもこの世界は剣術よりも魔法の方が良ほどのことがない限りは強いらしい。だから魔法を重視しているとか。それぞれ各10点、合計30点満点で評価してるらしく俺の年齢の平均点は8~10点らしい、28点なんて取れたらもう英雄レベルだとか。
そして俺は体力5点、瞬発9点、魔法力5点、合計19点と下手したらそこら辺の大人よりもすごい能力だった。
これには当然監督やお父さんも
「「そんなわけあるかよ!!」」
とツッコミを入れてきた。
正直俺もやりすぎたと思う。でも許して欲しい、これでも十分手を抜いたつもりだ。
特に魔法に至っては全力の1割も出してない。
あれ?これって限界突破するんじゃね?
「まぁそういう時もあると区切って行こうか…と言うよりこれは国の方に一応結果を提出しといた方がいいかもしれんな〜」
「そうですね、特に瞬発の項目は英雄クラスですからね」
「はっきりいって野球をするのが惜しいくらいの才能やわ。まぁ本人がしたいなら話は別やけどな、で君は野球をしたいのかい?マサト君」
「はい!!めっちゃしたいです。」
「うーむ……まぁ本人が言うならええんとちゃうんか?なぁカズヒコ」
父さん頼むぞ、ここで否定せずに肯定してくれ…
「本人が言うなら親としてはいいですよ。」
よっしゃーー父さんナイスーーー
「それじゃあとりあいず、ようこそ南谷クラブへ!!君を歓迎するよ、マサト君。」
やっと野球を始めれそうだな〜と思ったら少し気が抜けてきた、
「じゃあまずポジション決めようか、色々あるからひとつずつ説明するぞ、まず投手っちゅうのはな……」
ポジション決め!!そりゃあもちろん投手だろ、いやでも内野手とかしてみたかったんだよな〜特にショート、あれって守備の要って感じでええやん。外野とかも結構取るの楽しいんだよ!!あとは捕手か、したことないけどしてみてもいいかもな……
「……って感じや、どうやどれやってみたいとかあるか?」
「えっ?」
「おいおいまさか聞いてなかったとかないよな…」
「父さん?さすがに聞いてましたよ。」
やべぇ、全く聞いてなかった。だけどポジション決めのところだよな……投手ってところまでは聞いてたんだよ。それ以外……ってなんだ?いや普通に考えたらセカンドとかサードとかあるんだろうけどこの世界にあるとは考えにくい。どうなんだどうなんだここでミスったら野球が出来ないかもしれない。どうする?どうする俺……
「……投手」
「ん?なんつった?」
「投手してみたい!!」
「そうか、分かったわじゃあ君は投手ってことで登録しとくで〜」
ふぅ〜何とか助かった〜
「ほな今日のとこはええから次は明日練習やから明日から参加してな〜」
「はい!!」
そうして俺の南谷クラブでの野球生活が始まった。チーム名が少し日本っぽいけどなんか関係あんのかな?まぁ今はいいか!!
そして帰り道……
「お〜いマサト〜わかってんじゃねぇか投手選ぶとか〜」
そういえば父さんも野球やってたんだよな
「父さんはどこのポジションだったんですか?」
「ん?俺か?俺はなサードだったな〜。いや〜懐かしいな」
ん?まさか本当にあっちの世界と同じポジション名なのか?てことは俺の悩みって
「マジかよぉーーーー」
悲痛な叫びがやまびことなって帰ってくる度に余計虚しくなっていく、俺なのであった。
次回、初の練習参加
3週間以内には投稿予定!!