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傾聴感謝感謝

 ――魔力が溜まり続け、異常をきたし始めていたのはこの()()も同じだということにね。


 ――地球の溜まった魔力が爆発した結果が、歴史上何度か起きた生物――恐竜だったりの――絶滅の原因なんだよね。


 ――最後に起きてから六千万年くらいだっけ? 次に魔力が溜まりきるまで、まだまだ猶予があるはずと思っていたんだけどな。


 ――何が原因かはわからないけど、急激に魔力が膨張していってね。百年も経たずに爆発しかねない状態になってしまっていたんだよね。


 ――近年の異常気象なんかは、これが原因だろうとボクは踏んでるんだ。


 ――そんな地球の異常に気付いた羅羽羅クンは、地球のためか、明狼チャンの強化のためか、或いはそのどちらもかもしれないけど、地球が溜め込んでいる魔力を明狼チャンが使えるようにしたんだ。


 ――明狼チャンのそのお腹のやつが、地球の魔力を引っ張ってくるためのものなんだよね。


 ――()()を見たとき、溜まりに溜まった魔力を、こんなふうに抜く方法があったことに、ボクは驚きと喜びを隠せなかったね。


 ――ああ、そうだよね。ボクがどこから見てたのか、なんで喜んでいるのかを説明する必要があるよね。


 ――ボクは色々あった結果、この地球の管理、監視を任せてもらっているんだよね。


 ――そこで、この地球のあらゆる場所を【()る】能力を授かってね。


 ――当然、()()()()()()()()を無視して転移してきた三人組なんていうのは、一級監視対象に他ならないし、重点的に視させてもらっていたよ。


 ――思わぬ形で地球の魔力が溜まり続ける状態の、解決策と出会った訳だけど、問題はどうやって大量の魔力を使えばいいのか、ボクにはさっぱり思いつかなかったということでね。


 ――思いつかないなら、思いつく誰かを見つければいいってことで、何かデカいことをやらかしてくれそうな男――留義統(るぎす)を選んだんだ。


 ――計画としては、ボクにメロメロになった留義統の目の前で、絶体絶命の危機に陥ったボクが、明狼チャンの魔法によって助けられ、ボクの興味と関心と恋心を明狼チャンに向けることで、留義統をネトラれ絶望状態に追い込み、強い渇望から魔力を大量に消費するような願いを引き出そうという、完璧なものだったはずなんだけどね?


 ――留義統のボクに対する好意を最大限に引き上げて、ボクにアプローチさせようと思ったら、何故かストーカー化しちゃったり、ボクが明狼チャンに見殺しにされたり、不思議なことに計画通りにはいかなかったんだけどね。


 ――うん? ボクがどうやって留義統の好意を引き上げたかを知りたいって感じの表情だね?


 ――まあ、単純にボクに元々備わってた能力が、感情や思いを増幅させるってモノでね。思ってもいないことは無理だけど、少しでも思っているのなら、いくらでも強くできるんだよね。


 ――明狼チャンと日美々クンならわかるんじゃないかな?


 ――ボクやクラスメイトをあっさり見捨てるような人が、助けなきゃって感情に任せて走り出したり、か弱い乙女が人通りの少ない夜道をわざわざ散歩したりしただろう?


 ――ついでに言うと、日美々クンを攫おうとした奴らも、その様子を見ていた留義統も、ボクの能力の結果だね。こっちは上手くことが運び過ぎた感はあるけどね。


 ――それと、羅羽羅クンが留義統に攫われたのも、ボクが羅羽羅クンの、明狼チャンに助けてもらいたいって気持ちを増幅させた結果だね。


 ――ボクの能力はわかってくれたかな?

 

 ――ボクの計画は、そんな能力を使うことで失敗したり成功したり、ストーカーを生み出したりしたわけだけど――そんなストーカーになるような、ヤバい奴だったからこそ――世界中に異世界からダンジョンを召喚するなんて、むちゃくちゃなことができて、地球が溜め込んだ魔力の七割ほどを消費できたというわけだね。


 ――留義統は、この世界ごと置き換えて、魔王として君臨するつもりだったらしいけど、地球が溜め込んだ魔力とはいえさすがに足りなさそうだから、各所をダンジョン化させるにとどめたんだよね。


 ――とにかく、地球の魔力が溜まり続ける問題が一旦解決したことで、ボクはもう完全に気が抜けて腑抜けてて、重要なことを見過ごしてたんだよね。


 ――それがそう。明狼チャンの存在でね。


 ――留義統が倒された復讐とかそういうことではないよ? ボクやこの地球のために役に立ってくれたし、残念ではあったけど、ストーカー気質で魔王になりたいっていうような存在は、そのうちボク自らなんとかしなきゃいけなくなってただろうしね。


 ――で、明狼チャンの何が脅威かって、かなり消費したとはいえ、地球に溜まる魔力を使って、世界を壊すことも不可能じゃないってことなんだよね。


 ――明狼チャンはそんなことしないって?


 ――普段の明狼チャンにその気はなくても、勝手に暴走しちゃうかもしれないし、自暴自棄になって破壊して回るかもしれないし、酒やクスリで我を失って暴発するかもしれないし、何者かに操られてしまうかもしれない。


 ――地球の監視人としては、見過ごすわけにはいかないよね。まあ、魔力消費した直後は忘れてたけどさ。


 ――ということで、長々話したけど、これがボクが明狼チャンを狙う理由だね。


 ――聞いてくれてありがとね。とっても楽しくおしゃべりができたよ。


 ――おしゃべりがしたかったってのは間違いじゃないけど、時間稼ぎが目的だったからね。傾聴感謝感謝だよ。

 

 ――おかげで、ようやくボクの準備が整ったし、そろそろ戦おうと思うんだけどどうかな?

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