好きなだけ俺に愚痴を言っていいから、俺と一緒に居てくれ!
俺の彼女は、外ではいい子を演じて、皆に嫌われたくない女の子。
そんな彼女だから、ストレスが物凄く溜まるようで...。
彼女が仕事から家に帰って来ると? 俺が彼女の愚痴を毎日聞く
係になってしまった。
“イイ人”を演じるのも彼女を見ていると大変なんだといつも思う!
俺は思っている事を直ぐに口に出して言うタイプの人間だから。
職場でも、思った事は先輩だろうが上司だろうが相手かまわず
言葉にして言ってしまう、だからストレスを感じた事が俺にはない!
相手も、最初は俺に腹が立つみたいだけど? 俺が本音でぶつかって
行くから今では、この性格を職場の皆が受け入れてくれている。
・・・女性は、そう簡単にできないモノなのか?
俺が彼女に素直にこう言うと? 彼女は少し俺にキレ気味でこう答える。
『職場でも今みたいに、“本当のカナを出せばいいんじゃないの?”』
『それができるくらいなら、とっくにしてるわよ!』
『でも? 毎日そんなに職場でストレス抱えて、しんどくない?』
『だから、ひょうまにこうやって愚痴こぼしてんじゃん!』
『そう、カリカリしないで! 俺はカナの愚痴ぐらい毎日聞くからさー』
『ひょうまには、いつも申し訳ないと想ってるけど? 他の人にこんな
事言えないし! ひょうましか言えないのよ、ごめんね。』
『別に、カナが謝らなくていいよ。』
『でもさー本当! ウチの上司がムカつくのよね! アイツ誰にそんな
偉そうに言ってんのよ!』
『・・・そ、そうだね、』
『ホントムカつく!』
『・・・うん。』
『でさーウチのお局様もいい加減、結婚して寿退社しろって事よ!』
『うんうん。』
彼女は、友達にもいい顔しか見せてないみたいで。
俺を彼女の友達に会わせる時は? 少し上品というか?
いつも着ないような清潔感があるような服まで着せられる。
話し方も丁寧に話すようにとか? いろいろと彼女から注意されている。
だから俺は、直ぐに“用事ができたから”と言って退散する事に決めてるよ。
ずっと居たら? 本来の俺が出てしまうしね!
彼女をがっかりさせたくないのもあるかな。
・・・だけど? どうにかならないモノなのか?
いつまでも、自分を作っていても本当の彼女じゃないし。
本音で話す方が相手に伝わると思うのだけど?
彼女は絶対にそうしたがらない!
きっと、“第一印象”を崩せないのだろう。
いいイメージをそのまま、ずっと持っていて欲しいと思っている。
でも? ひょっとしたら、もう彼女の本性は職場の人達にバレて
いるのかもしれないとは彼女は考えないのだろうと俺は思った。
どこで誰が見ているか分からないのだし、彼女だってふと気が
緩んだ時に、ポロっと出ているかもしれないじゃないか!
まあ、俺は見てないからそれ以上は言えないのだけどね。
*
・・・でも? 彼女のストレスは次第に酷くなっていった。
彼女の職場に、新しく入ってきたパートのおばちゃんがいて。
彼女を扱き使うらしい。
彼女はいつもイイ人を演じているから、何か頼まれても断れない!
それが今まで以上にストレスになっているようだ。
俺に彼女が愚痴を言うだけじゃ、収まらなくなっていた。
彼女は次第に、仕事を休むようになり“鬱”になりつつあった。
部屋に閉じこもり、悪い事ばかりを考えるようになる。
俺が気晴らしに、彼女を外に連れ出そうとすると? 彼女は凄い
叫び声を出して俺に暴力まで振るうようになった。
気がおかしくなったような彼女を見て俺は彼女を心理セラピーで
診てもらう事にした。
通いはじめると? 彼女に少しずつ治る兆候が表れる。
彼女も元の彼女になりつつあり、普段の生活に戻っていった。
それでも、また同じ職場に行きたくないと彼女は駄々おこねる。
俺も彼女の言葉を尊重して、仕事を辞めさせて違う仕事を一緒に
探すようにした。
『先ずは、リハビリがてらにバイトでいいから仕事しようか!』
『・・・ううん。』
『大丈夫! 俺がついてるよ』
『うん!』
『だからカナは、好きなだけ俺に愚痴を言っていいから
俺と一緒に居てくれ!』
『うん。』
これからも、そんな彼女を俺は支えていきたい!
最後までお読みいただきありがとうございます。




