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「弟の有馬春次は古美術商の仕事柄、北陸の九谷焼の窯主達と繋がりがあったのようです。そこで目を付けたのが三室魔鵬(みむろまほう)です。『若い頃、女遊びの派手だったあいつなら、今でも若い女には脇が甘い筈だ、それならば若くて美貌の姉をあいつに近づけて何かしらを盗んで、いや当初は分け前でも貰おうという魂胆だったのかもしれません。貰えば金銭に替えれば、実家の破産も免れる。それに里見も神戸の在住の画家とも親交があったのでその辺の連中の添え状でもあれば、尚さら良い』なんて策を三人で顔をそろえて考えて、早速そうしたものを取り揃えると、三人で北陸行きの特急にでも乗り込んだのでしょうね」

 田中巡査は微睡みの霧の中にいるようだった。視界は見えない、自分が進むべき先は見えない、しかしロダンだけが見えている。今は彼の差し出す手に引かれながら歩かなければならない。

 何故なら彼だけが知ってるのだ。この霧の中の抜け方を。

「それから彼等は三室魔鵬(みむろまほう)の窯にやって、生活して過ごすことになった。表向きは古美術商と若手彫刻家の表敬訪問とそれにつれだった若くて美しい女、しかしその正体は紛れもない悪辣な窃盗団」

 巡査は霧の中で何か声を聞いた。それは空を飛ぶ、鳥のようだ。

「だかれこそ、本当の犠牲者は三室魔鵬(みむろまほう)だったのですよ」


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