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今時、体育館裏なんてダサイよな。
ってなことで、帰り道にある公園にした。
正々堂々と戦うには良い場所だ。
蝉の鳴き声がうるさいのと、暑いっていう難点があるけれど、
決着はすぐに着くはずだ。
俺たちはうなづき合って、そこに向かう。
負けられない。
目的地に着くまで、俺たちは一言もしゃべらなかった。
そう、これは真剣勝負なんだ。
公園の広場で向かい合う。
「覚悟はできてるんだろーな」
「できてるよ」
一回勝負だからな、と確認し合い、互いに身構えた。
額から汗が流れ落ちる。
「行くぞっ!」
声を合わせて次の言葉を言う。
「ジャンケーン――」
負けた方が夏休みの宿題を二人分やるのだ。
結果?
今、アホだと思ったろ?
だから、秘密さ。
<了>