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唯一無二(オンリーワン)   作者: こうもりダーキー
勇者焼失

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思考誘導

久しぶりに執筆中小説を整理していたら、これがずっと放置されていたことに気付きました。二千字とはいえ投稿しないのもなんだかなと思ったので載せてみました。

 俺が目を覚ました時にはすでに大騒ぎになっていた。


 それはそうだ。あの恐るべき力を持つ大悪魔が目覚め、どこかに行ってしまったのだ。また昔のようにどこかを襲っているのかもしれない。そう考えれば無理もない話だ。


 あの時敵意を感じられなかったというのはあくまで俺の主観的な意見。楽観視などできるはずもない。わざわざみんなに言って戸惑わせるわけにはいかない。結局誰にも言わないことにした。


 すでに王都へと報告に向かわせているようだがここからだと何日かかるだろうか。転移系の魔法が使えるアイテムとかがあればよかったんだがさすがにそこまで高度な魔法を付与することはできないそうだ。


 新世界の生き残りは現在事情聴取中。口を割ってくれることを祈ろう。


 ロル君と知らないお爺さんは余程ひどい目にあったのか今もずっと眠ったままだ。幸い命に別状はないが、傷はいくつか残ってしまうとのこと。気休め程度にしかならないがリオネの精神干渉でいい夢を見てもらおう。



 俺はひとまず誰も死ななかったことを素直に喜ぶことにした。もし地下通路を作ることができなければ最悪何人かは命を落としてしまっていたかもしれないのだから。


 だが、すぐに不安な気持ちに襲われてしまった。


 俺はフィロソ族にマジックアイテムを譲り受ける形で協力を取り付けることができた。だが、それはあの大悪魔の復活の阻止に協力するという条件付きでの話だった。今あいつがどこかに行ってしまった以上その約束は無効になってもおかしくない。


 現状銀ランク相当の勇者と金や白金が動かなければならない勇者殺し。今どちらのほうが優先度が高いかと言われれば恐らく後者だろう。


 成長速度のことがあるので一概には言い切れない。だが、世界征服が目的である以上世界を滅ぼすなんてことはしないはずだ。だが、大悪魔がどういった行動をとるかはまるで予想がつかない。無秩序に国を滅ぼしていく可能性も考えられなくはないのだ。


「どうしたんですかご主人様」

「うおっ!い、いつからそこに⁉」

「ずっと前からここにいましたけど」


 そ、そうか。全く気付かなかった。


「それで一体どうしたんですか?」

「フィロソ族からの協力が得られなくなるんじゃないかと心配になってな」

「あー、なるほど」


 あー、って……他人事かよ。


「もしダメだったらどうするんですか?」

「街で役に立ちそうなものを買って魔人領まで行く」

「本気で死ぬつもりなんですね。元からそういう性分なんですか?」

「いや、今まではそんな他人のために命を捨てられるような性格じゃなかったはずなんだが」


 自分でもバカみたいな命の使い方だってわかってるんだけどな。まだ一度もガレイさん達に勝ててないのに勇者と戦いに行くんだから。


 ふと、リオネが訝しげな眼差しで見つめていることに気づいた。なんだ?


「ご主人様。そのまま勇者を倒すことについて考えてみてください」

「えっ?おい!」


 周りに誰もいないとはいえいきなり取り憑いてくるなよ!なんなんだ一体。


 まぁとにかく、言われた通りに想像してみる。



 凄まじい勢いで襲いかかる勇者。それを空中歩行で避ける俺。スクロールを広げ魔法を何度も撃ち放ちやがてついには勇者が地面に横たわる。


 ここまで簡単にいったら誰も苦労しないけどな。


(ご主人様)

(ん?)

(はっきりと言います。ご主人様は何かに思考を誘導されている可能性があります)

(……は?)


 誘導?どういうことだ?


(まさかまだここに悪魔が?)

(いえ、これは外部からではなく内部、つまりご主人様に元々宿っていた何かの仕業ですね)


 何かが宿っている?勇者の力以外にも?


(取り憑かれたわけじゃないんだよな?)

(違います。もしそうだとしたら私がすぐに気付くはずですし)

(だよな。でも具体的にどんな風に誘導されているんだ?)

(うーん、流石にそこまでは……)

(そうか……)


 あくまで推測ですがと前置きしてこう続けた。


(1人でどうにかしなければという気持ちにさせているんだと思います)

(1人で?)

(さっきの想像の中に私はいましたか?)

(……いや、いなかった)


 あれ?そういえば最初はリオネにも戦ってもらおうと思っていたよな。何ですっかり忘れていたんだ?


(フィロソ族からの協力に関しても何人か戦闘に参加してもらうという考えもすっぽりと抜けていませんか?)

(確かに……全く思いつかなかった)

(ご主人様は抜けているところもありますが頭が悪いわけではありません。むしろよく回る方です)


 抜けてる⁉︎いや、確かにそうかも知れんが人に言われるとどうも傷つくな。


(いつからおかしいと思ったんだ?)

(族長にアイテムを譲ってもらおうと交渉していた時からでしょうか)

(なるほど)


 よくよく考えてみると魔人の味方になると決めた時から、ずっと1人で戦うつもりでいたな。どうして魔人達と一緒に立ち向かう気が微塵も起こらなかったんだ?


 いつからこうなった?どうしてそんな風にしか考えられないようになった?こんなの俺らしくもないぞ。


(それが一体何なのかはまだわからないんだよな?)

(いえ、その……正直勇者の力以外には何も感じられないので、ひょっとすると勇者の力が原因かも知れませんね)

(あるいはそれに巧妙に隠されている全く別の力か……)


 ううむ、どういうことだ?

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