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 季節の塔はすきとおって青く、近くで見ると、思っていたよりもずっと大きい建物であることに気がつきました。


 「すごい、大きいしきれいだなあ。そして、さむいっ。さっむーい!」


 チサトはてのひらの上に作りだした暖房がわりのほのおをにぎりこみました。塔の周辺は静まりかえり、あたりにはひとっこひとりいません。チサトをここまで案内してくれた王宮の兵隊さんは、塔の周辺のあまりのさむさに、ほとんどこおりかけてしまっていたため、お守りがわりにほのおを二、三個つけて返しました。


 「どうやって入ったらいいかなあ。たしか小さい入口があるんだったよね。入口、入口……っと。あった!これかな?」


 塔の側面、チサトの肩くらいのたかさのところに、チサト一人が身をかがめてやっと入れそうなサイズの、小さなとびらがありました。試しに押してみますが、びくともしません。


 「ていうか、ドアじたい凍ってるし」


 チサトはドアから少しはなれると、ドアに向かって、いきおいよく炎の魔法を放ちました。


 「よし、これでOK。いけるかな?――よし、いけた!」


 もう一度近づいてドアを押してみると、とびらはかんたんに開きました。ふしぎなことに、強い炎をま正面から受けたにもかかわらず、とびらにはきず一つありません。


 「なかはどうなっているのかなーっと。おお、すごい!」


 とびらを開けた向こうは、一面の氷のかべの中に、うろのような空洞がなめらかにななめ下、奥の方へとつづいていて、まるで氷のすべり台のようになっているのでした。


 「ウォータースライダー、ならぬアイススライダーだね!」


 チサトはわくわくとした気分でうろの入り口に足をかけると、いっきに氷の道を滑りおりていきました。

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