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第2の人生

作者: 黒豆茶

「妻と夫」


リビングでテレビを見ながらゴロゴロしていると妻は、「ゴロゴロしてないでちょっとは外の空気吸ってきてはどうですか」

とキッチンシンクで朝食の食器を洗う妻が言った。


私は、「せっかくの休み何だから家でゴロゴロしたっていいだろう」と私は、テレビを見ながら妻に言い返した。


妻は、ハァとため息をついて「あなた休みも何も仕事を退職したのですから毎日休みでしょう」と妻に言われてハッとした。


私は、長年のサラリーマン生活から引退して妻と第2の人生を生きている事を思い出した。


休みの日は、口癖のように「せっかくの休みなんだから」とつけてはゴロゴロしていたが退職した今の私に対してはあまり良く思われていないようだ。


妻からしたら仕事に向かう私は、覇気のある顔で仕事に真摯であったが、今は見る影もない。


私の姿を後ろから哀しそうに見ている妻に、私は顔を赤らめながら逃げるように玄関に向かい靴を履き消え入りそうな声で「いってきます」と声をかけた。


私は、玄関のノブに手をかけるすると、妻は滓かな私の声を聞き逃さずいつも聞き慣れた声で「あなたいってらっしゃい」

とキッチンシンクから食器を流しながらもハッキリと妻の声は響いた。


私は、妻には敵わないなと思い早々に外へ出た。


妻は、流し終えた食器に手をかけて乾いたフキンで拭いていると、フッと外出した夫を思いだしクスリッと笑った。


 

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