彼女が跳ぶ空
冬の冷たい風が真っ向から吹いている。雲は低い位置で向こうの方まで続いていた。キリキリと、まるで切り刻むような風が一つ、また一つと音を立てて後ろに流れていく。
校庭は今日も適度な倦怠感と緊張感を伴った空気が広がっていて、あちこちから音がする。ボールの転がる音、気合を入れるための声、そして、ホイッスルが鳴った。
図書館の二階、学習室には僕の他に誰もいなかった。次の試験までしばらくの間、期間があるのだ。誰も好んでこんな所にはやってこない。
校庭が見渡せる窓際の机の一角に適当にプリントを広げて頬杖をつけば、「放課後も勉強に勤しむ優等生」の出来上がりだ。
左手のシャーペンを訳あり顔でくるくると回して、何度かに一度プリントに書きこむような作業。僕の放課後はいつも日が暮れるまでこんな調子で進んでいく。
学習室は書架も兼ねていて、たまに人が訪れては僕のことを気にするでもなく自分の目当ての本を探してまた消えていく。
ここにおいてある本はもうすでに読む人を選ぶような、そんな本ばかりだ。ここは煙たがられている本の世界なのだ。
気が向いたときに適当に本棚の間を歩いてみて気になった本を手に取る。けれど、どの本も難しい上に今にも風化してしまいそうで結局読めないままでいる。どうりで国語の成績も冴えないわけである。
机の上に広がった数学のプリントが今か今かと答えが書き込まれる瞬間を待っているようだ。けれど書き込んだ瞬間から「その答えは違いますよ」と無表情なメッセージを受信したくない僕は今もなお件のプリントとにらめっこを続けている。
暖房が利いていても冬の冷たさは足から徐々に僕のやる気を奪っていった。
乾いた風に混ざる古い本の香りが余計に眠気を誘ってくる。寝たら確実に風を引きそうだけれど。
プリントはまだ半分以上が白紙のままだった。きっと、今回もこんな感じで提出してしまうのだろう、ということが容易に想像できた。答えを写す位なら、わからないとはっきり意思表示した方がましだ、とか色々と言い訳を考えている。頭の奥ではすでに諦めムードが漂い始めている。
シャーペンを適当に走らせてそれらしい数式を弄んでみても正解まではとてもじゃないが行き着きそうにない。かと言って読書をする気にもなれない。
今日は、こんな日なのだろう。
ほとんど散らかっていない消しゴムのカスを集め、ほとんど書きこまれていないプリントを畳み、ほとんど使っていない筆記具を片付けた。
何も載っていない机にもう一度頬杖をついて、薄暗くなり始めた校庭を見やる。
球技の部活は早々に切り上げてどこか遠くへ走りに出かけたのか校庭には陸上部だけが残っていた。
当人たちはしっかり練習しているつもりなのだろうけれど、他人から見ればてんでバラバラだった。
ある者は砂に向かって跳躍し、ある者は延々とトラックを走り続け、ある者は障害物をピョンピョンと軽やかにかわしていく。
そんな練習風景の中で一際僕の目を引いたのがトラックの真ん中に置かれた大きなマットだった。おそらく走り高跳びである。地面に平行に保たれたバーが冬の風に少しだけ揺れていた。
窓越しでもわかるほどのホイッスルの音がした。空気を切り裂くその音に反応するかのように一人の少女が加速を始める。
ポニーテールを揺らしながらぐいぐいと加速を重ね、棒との距離を一気に縮める。決められた線の上を行くような繊細かつ大胆なカーブを描きながら歩幅を調整しているようにも見えた。
そして、彼女は器用な足捌きでもってバーの上を軽々と飛び越えていったのだ。
その瞬間だけまるで重力が無くなったかのようにあっという間に飛翔した。
あれはベリーロール、だったか。教科書でしか見たことのないような飛び方をさらりとやってのけた。
「……す、ごい」
その奇声が自分のものだと気付くのに数秒ほど時間がかかった。それほどまでに彼女は美しく跳んだのだ。清々しいほどの跳躍と、それを成し遂げるには細すぎるような脚が僕の脳裏に焼き付いた。
マットの上に肢体を投げ出した彼女とちらと目があったような気がして、僕は慌てて学習室をあとにした。薄暗い中で電気のついていない部屋にいた僕の顔を見分けられるはずがないのに、である。
翌日、朝。僕は少しばかりの緊張と警戒を伴って教室に入った。
昨日の彼女がもしかしたら告げ口をしたかもしれない、とそればかりが気になってとても落ち着けるような心持ちじゃなかったのである。案の定、携帯を忘れている。ポケットがいつもよりも軽い。
自分の席について一呼吸した。クラスメイトたちの雑談に聞き耳をたてる。何も言われていないのに、何も笑われていないのにどうしてだか疑心暗鬼になってしまう。
悪い癖だ。分かっている。治したい。
結局授業が始まるまで、僕はずっと笑い者にされているような幻想と恐怖を抱えていたのだ。世界は僕が思うほどに僕に興味はない。
その日は午前中のうちから低かった雲が雨を降らせ始めた。この地方では雪は滅多に落ちては来ない。その代わりに冷たい雨がしとしとと降るのである。
心なしか気温が落ちてきたように感じた。足先が冷えはじめている。
一度授業が始まってしまえば、僕は朝の気持ちをリセットすることができた。珍しく、数学の問題を当てられなかった小さな幸運がさらに僕に味方した。
午後は全て自習になってだらだらとしているうちに終わった。友達からゲーセンに行かないか、と誘われたが雨を理由に断った。
放課後、ほとんどの生徒がいなくなった廊下は朝よりも冷たく感じた。リノリウムの床に露が付着していてその上を歩くことを躊躇わせた。
雨脚が強いのか、敷地内のいろんなところに水たまりの芽が顔を出している。
水滴がつくる波紋がその前の波紋を打ち消し合っていた。小さな水たまりの表面では波の干渉と合成が絶え間なく行われ続けている。
放課後、僕は図書館に向かった。ある種の期待が足を動かす。
カウンターにはよらずに二階、学習室へ。
「学習室」と書かれた扉の脇に設置された下駄箱はひとつだけローファーが入っているだけで、他は全部スリッパだった。
一度だけ大きく息を吐いて、それから扉を開けた。正面より左、僕がいつも座る席に彼女は座って作業をしていた。
佐々川ユキ、その人である。
佐々川ユキの存在を認識したのは半年前の事になる。やはりその日も雨が降っていた。あの時、彼女はサイドテールに束ねた真っ黒な髪を左右に振りながらせっせとノートに何か書いていた。
湿気が大変だろうなぁ、と他人事の様な感想を抱きつつも自分も同じような作業をしていたので結局、最後まで口には出さなかった。それから声を聞くまでに1ヶ月、名前を聞くまでに2ヶ月半もかかった。
僕は彼女の3つ隣の椅子に腰掛けるとカバンを横に置いた。
「雨ですね」
まるで合言葉のように、僕は彼女を見るといつもこの言葉を口にする癖があった。
「雨ですね」
ユキは手元のノートから顔をあげると、小さく微笑んだ。大きな眼鏡が印象的な、けれども無駄のない自然な微笑みだ。それだけで今日ここに来てよかったと思わせるような笑顔である。
僕のささやかな楽しみの一つだ。
「今日は何をしているのです?」
「宿題を。最近、家に帰るとすぐに寝ちゃうので学校にいるうちに、と思いまして」
ユキはそれから教科書の背表紙を僕に見せてくれた。数学の教科書は僕のとはまるで違う勉強の出来る人の教科書だった。
「あなたは何をしに来たのです? どうも勉強でも読書でもないみたいですが……」
まさか、「君の笑顔を見に来ました」なんて気障ったいセリフが口にできるわけでもないので、「雨宿りです」と適当にお茶を濁した。折りたたみ傘がカバンの底で猛抗議をしている映像が脳裏にちらと浮かんで、自然と表情が綻んだ。
「そうですか……早く雨が止むといいですね。寒いと帰るのも辛いです」
サイドテールがまたくすり、と揺れた。
「雨が弱くなるまでもうしばらくかかりそう。宿題でもしていたらどうでしょう? それとも読書、とか」
と、ユキが口を開いた。僕は少し考えて、それからカバンのジッパーを開けた。
「勉強は、嫌いなんだ」
僕は手に持った文庫本を彼女に見せながら椅子に座り直して読書を選んだ。
今日も胸が詰まりそうなほどに息苦しくて幸せな時間が流れていく。
もう少しだけ、雨には降っていてほしいと思う。
「あーした、てんきにならないでー」
そんな縁起の悪いことをつぶやきながら、僕は暗くなった帰り道を歩いていた。雨は上がっていたが星は見えない。
街頭に照らされた水たまりが電線から落ちてくる一滴に揺らぐ光景を幾つも見下ろしながら、長い坂を下る。朝のような疲労感はなく足取りは極めて軽い。
すっかり冬の空気に包まれた住宅街だ。イルミネーションのおかげで普段よりも2割増に明るい道だった。
迷路のようなその道を迷うことなく歩き進めて家に帰れば中からはシチューの香りがした。
「冷えたでしょう、早く着替えていらっしゃい」
母の声が奥から聞こえてきた。
「わかったー」
反抗する理由など無いので冷たい廊下をつま先立ちで歩きながら部屋へ急いだ。机の上に置きっぱなしの携帯が青白いLEDを点滅させながらメールの受信をしらせていた。
『ユキです。私は無事に帰宅できました。寒いので心配です。返事をいただければ、と思います』
受信時間が1時間前だった。ユキの家は学校から近いのだろうか、などなどいろんな想像と妄想が働くけれど、ひとまず無視して返信画面を呼び出す。
ユキと会った日は必ず、メールが来ていた。心配するような文面や、楽しかったと伝えるような文面も含めて30通ほど。僕のメールフォルダの大半は彼女からのメールだ。
どの文面にもいわゆる絵文字、顔文字の類はなく、彼女は自分で「味気なくてごめんなさい」というほどにメールが苦手らしかった。
僕はそんな彼女のメールが好きだった。
『メール、ありがとうございます。こちらも無事に帰宅できました。寒い日が続くので暖かくして過ごしてください』
送信完了の文字と光が動いて、それから僕は階下に降りた。
熱々のシチューが待っていた。
冬の時間は穏やかに、そしてあっという間に流れていく。ユキと最後にメールしたのはもう2週間の前の話だ。
天気予報通り、今朝は冬将軍が休暇をとったらしかった。昨日に比べれば暖かいけれど、それでも玄関向こうには身を切るような寒さが待っていた。
雲は少なく青空が続いていた。太陽のおかげで暑ささえ感じた。春の陽気、と予報士は言っていたが、うまいことを言うなぁ、と感心するばかりである。
まだ吹く風は冷たく、木々も枝ばかりだけれど日なたはもうすっかり春のようだった。
試験が近い、そして勉強をしていない。典型的なダメ学生が僕である。
ひと月後の試験が次第に休み時間の雑談で囁かれるようになった頃、僕は意を決して学習室の扉を開けた。
そろそろそんな時期だとは思っていたけれど、案の定今日は人が多かった。一人、二人と増え続け最終的には椅子の半分が埋まった。
どの人もみなそれぞれに必死にノートや参考書をめくっては納得したようなあるいは悔しがるようなため息をこぼしていた。
僕もその一人である。数学も英語も物理も生物も、苦手な科目は山のようにある。けれども時間とやる気がそれに反比例して無きに等しかった。
重苦しい学習室から見えた校庭は賑やかだった。
少しでも暖かいと練習も弾むのだろう、それぞれの部活が声を張り上げてその競技に向かっていた。―― 当然、あの少女もである。
空は青く、心なしか高く見えた。
彼女は笛が鳴るまで空を見上げていた。その顔はどこまでも跳んでやろう、とか思っているんじゃないだろうな、と心配してしまうほどに精悍な顔つきだった。
短い助走から跳躍、回転、そして落ちていく風景。
その一挙手一投足に見入ってしまってシャーペンがすっかり止まっている。彼女のおかげで勉強が全く捗らない。
「だめだな」とひとりごちても今日はあの声はどこにも聞こえない。
晴れると見えなくなる彼女はまるで雨の要請のようだ。……否、雪か。
ポニーテールが立ち上がった。まもなくホイッスルが鳴る。
2,3度その場でジャンプして歩幅を調整したあと、彼女は僕の視線を知ってかしらずか一度こちらをちらりと見てから助走に入っていった。
何かが繋がったような痛みが脳裏をピリっと駆け抜けていった。
なんだろう。
ユキと少女の姿が閉じた目の裏に写りこんで重なる。けれど全然重ならない。
ピントのぼやけた写真を必死に眺めている気持ち悪さだけが脳裏から全身に伝わる。
何かが……何かが繋がる。
目を開いた先に、彼女はもういなかった。
しばらく、晴れの日が続いた。それはつまり、僕がユキと会えない日が続いたことを意味する。その間に今年度最後の試験が終わり、その成績もまた次々に返却された。
暗黙の了解ではないけれど、僕はユキに必要以上のメールはしないし、ユキも僕とは必要以上のメールをしない。
雨の日以外に彼女にメールを送ることはない。送られてくることもない。最後のユキからメールが1ヶ月前の日付を示している。
春の穏やかな天気を、僕は初めて憎みたくなった。そしてそれと同じように、何に対して憤りを感じているのかわからない自分がいた。
この不思議な熱量が恋愛感情からくるものなのか独占欲からくるものなのか、僕にはわからないけれどただひとつだけ言うならば早く雨に降ってほしかった。
春休みが来てしまったら、僕はきっとユキとはもう2度と話せないようなそんな不安に取り憑かれていたのである。
翌日も翌々日も高気圧が春の暖かさを満遍なく僕らに届けていた。それは僕に限定して言えばありがた迷惑も甚だしかった。
僕はユキのことをほとんど知らない。ビックリするくらいに何も知らないのである。
あんなに惹かれておきながら、あんなに話しておきながら知らないことばかりだったと気付かされたときの恐怖感は喩えようもない。
つまり、不安だった。雨が降ることを毎晩祈った。それは狂気の沙汰のようにも見えた。
朝から雲が多かった。そして空は低く、山の向こうは見えなかった。低気圧がようやく重たい腰を上げたらしい。頭が少しだけ痛む。
昼前から次第に暗くなった。冷たい風がゆっくりと吹き始める。さながら魔術師にでもなったような気持ちで僕は空を見た。
「ユキに、もう一度だけ会わせてください」
都合のいい時だけ頼る神様当てのメールは数秒後、「宛先が見つかりません」のエラーメッセージと一緒に返って来た。送信は、成功した。
雨が降り始めたのは午後の授業が始まって間もない頃だった。2,3滴が音を立てた次の瞬間には大粒の雨が地面を襲った。乾いていた地面はあっという間に過飽和になり、やがて水たまりがあちこちにできた。
雨が降った。
放課後が、楽しみである。
放課後の図書館は突然雨が降り出したにもかかわらず今日も落ち着いていた。
雨宿りの生徒も含めて10人ほどが一回の閲覧室で思い思いの時間を過ごしているのを横目に、僕は学習室へと歩いた。
学習室の下駄箱は一組のローファーを除いて、後は全部スリッパだった。
扉を開けるといつもの席にユキが座っていた。本を開いているけれど、その意識は本には向いていなかった。
「……雨、ですね」
いつものように、上擦りながらも声をかける。いつも以上の緊張を感じる。
「……雨ですね」
ユキは、顔を挙げなかった。表情が読めないけれど、そういう事なんだと直感した。
しばらくの間、お互いにかける言葉を見失っていた。
気まずい沈黙が降りた。何も出来ない、何も言えない僕は結局、雨が窓に当たって流れ落ちて行く様子をぼんやりと見ていた。
「ちょっとだけ待っててください、すぐに、戻って来ます」
ユキはそれから学習室を後にした。
「こちらを見ないで質問に答えてもらってもいいですか」
学習室の扉が静かに開く音がして、ユキは言った。
「3問までなら答えられるけど、4問目以降は無理です。多分振り返ると思います」
振り返らず、ただ雨の流れるさまを見ながら僕も返した。まるでメールのようなやり取りだった。
「じゃあ、一つ目。いつから私が走り高跳びをしていることに気付いたのですか?」
「……テストが始まる前くらい、だと思います」
「真面目に応えてください」
「ここに来るまで確信がもてなかったのは本当です」
窓ガラスに映り込むことを期待して今一度頭を上げてみたもののやっぱり窓ガラスには雨の描く曲線ばかりがあった。
ユキが小さくため息をついたのが聞こえた。
「……二つ目です。あなた、もしかして陸上をしていたんじゃないですか?」
心に冷たい刃物を差し込まれていくような痛みが走った、気がした。
「それについては……ノーコメントです。でも、どうしてそんな質問を?」
「いえ、少し気になっただけです。……それじゃ最後です」
ユキは2,3度小さく跳ねた。
「三つ目、あなたはわたしがすきですか?」
「……」
呼吸する方法を、僕はすっかり忘れてしまったかのような錯覚に陥った。ヒューヒュー、と喉が鳴っているけれどまるで別の人の喉を見ているような気分だった。
「Yes/Noで答えてください。Yesならそのまま右手を、Noなら左手を上げてください」
僕は何の迷いもなく――右手を上げた。
雨が降る夕方の帰り道、ひとつの傘の下で僕とユキは取り留めのない話をした。好きな晩ご飯や色や勉強は友達や、それから今までのことなんかを。
とても一度の帰り道じゃ足りなかったので雨の降る日はいつもこんなふうにして帰った。
そんな取り留めのない話から一つだけ、彼女がこんなことを言っていたのを思い出す。
「私は、走り高跳びに向かうときはいつだってフライトのつもりで跳んでいるの」
「フライト? 飛行機のフライトのこと?」
「そう、フライト。今、私がこうして跳べるのは私一人の力じゃないもの。例えばマットの準備をしてくれる部員やマネージャーさんがいて、私を指導して下さるコーチがいて、ともに切磋琢磨するライバルや友達がいて、そして、あなたのような応援をしてくれる人がいて……とにかく、いろんな人のおかげで私は跳べる、って思っているの」
ユキはたまにこんな一流アスリートのようなことを自分の言葉で口にする。それはユキの強さであり、またユキの美しさでもあった。
彼女が跳ぶ空はいつだって150cmぎりぎりだった。数十メートルの助走から繰り出されるわずか2秒にも満たない滞空時間が彼女のフライトである。
様々な音が行き交う校庭で今日もまた離陸のホイッスルが鋭く鳴った。加速から跳躍までのリズムを刻みながら、彼女は今日もフライトに出かけていく。
自信満々の彼女の細い体は何の抵抗も感じることなくふわりと宙を舞っていく。そして良い記録が出ると決まって、マットに転がった彼女は学習室の窓に向かって元気にピースサインをしてくるのだ。
僕はそのピースサインを待つために今日も小難しい本を開いたり、ノートを埋めたりして学習室に居座るのだ。
また、ホイッスルが鳴った。
<fin.>
インターネットでいろんな方と出会いましたが、"ユキ"のモデルも実はそういう中の一人です。
彼女へのラブレターのつもりで書きましたが……全然ラブレターになってないですね、どう見ても貰って反応に困る、そんな感じなってしまいました。
こんにちは。
陸上競技は難しいですね!
でも楽しいですよ(経験者は語る)
あとがきもさる事ながらあらすじ……もうなんか自分の色々を捨ててしまいたくなります。
評価が気になって仕方がない、というと実にアレですが……どんなものでも反応がもらえるとすごく嬉しい性分なので是非感想など聞かせていただけたらなぁ、と思います。
よろしくお願いします。