早弁の卑弥呼
自分の将来は、いつ決まると思う?
生まれた時から?
いいえ、違うわ。
影が薄くて仲間外れにされた時から?
いいえ、違うわ。
揶揄されて告白された時から?
いいえ、違うわ。
知り合いと思って声をかけたのに全く違う人で、恥ずかしさのあまり蹲っていた所、心配された異性にときめいたらドン引きされて周りの視線が痛かった時から?
いいえ、違うわ。
そんな過去、あるわけないじゃない(泣)。
将来はね、今この時から決まるのよ。
だから、私は早弁───いいえ早勉するの。
いの一番に教室に入って勉強する。
誰もいない空間、私しか存在しない時間の中で、勉強することに意義があるの。
授業が始まるまでの間、それだけは邪魔されたくない。
精神統一の時間でもあるわ。
でも、それはつい最近壊された。
小学校も一緒のクラスだったオロチとタケルにね。
何で、あいつらが朝早くに登校したか未だに不明。
校門で、声を荒らげたのは失態だった。
知り合いとは思われないよう、入学式からグルグル眼鏡をしていた目論みが意味ないんだけど……まぁ、定着してるからこれでいくけどね。
粗悪な奴らに振り回されるのは面倒よ、全く。
私には、将来があるんだから。
さっ、今日もはやべんして、習慣を熟すわ。
糖分摂らないと、昼からの授業やってけな───
「あーー!早弁のキメコ!」
「だから早弁じゃなくて早勉って言ってるでしょうが!!あっ………」
「ひみこぉ、早弁してるのかあぁ?」
「いいえ先生……いえ、ちゃんエビ。私が、そんな事するはずないじゃないですか」
「米粒ついとるぞぉ」
「………」
「やっぱしてるじゃん、キメコは食いしん坊だな」
「………タケ、私はしてないって言ってるでしょ」
「いや、水筒に味噌汁入れて飲む時点でヤッてんだよ」
「あと私はキメコじゃない、卑弥呼」
「おかずなんてほらぁ、ハンバーグにトンカツって、せめて匂わない具材選べよ」
「エネルギーは必要でしょ」
「挙げ句に、米が寿司ってどうかしてるぜ、キメコ」
「………表に出な、ブサイク」
「おう、やんのかブス!」
───ベベン!
「あっ、ベンテン先生。二人が騒がしいので生徒指導室にお願いします」
───ベベン!
「オロチん、裏切ったなあぁ」
「オロチ◯コ、許すまじよ」
あっ、やば………私ったらつい小学校の時の癖で禁句を言っちゃった。
───ベベン!
「ベンベンンべベベンベーベン」
「生徒指導室の上位互換、特別室行きって言ってるね」
「「翻訳してる場合か!!」」
「──って俺もぉ!?」
「ふっ、秘技“道連れ”、得と味わうがいいわ!」
今日は、このくらいにしておきましょう。
憎っくき男の一人を同じ目に合わせられるんだから、勝ったも同然ね。
「次は、オロチ◯コ!あんたよ!!あっ………」
声に出ちゃった。
───ベベン!
「あの、ベンテン先生………」
───ベベべン!
「お手柔らかにお願いします」
───ベン!!
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさま(・∀・)
この作品に出会ってくれてありがとう。
更新日は不定期です。
週一程度に更新できたらと思ってます。
長い付き合いになるかもしれません。
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