リズムの変化
ヤマタノオロチの環境は少しずつ変化している。
個性強い友達が増え、部活動をするようになった。
オロチの母と父も、その変化を歓迎している。
「はいこれ、持っていきなさい」
「ありがとう」
(今日のメインはなぁにかな?)
登校ルートに大きな変化はない。
小学校の時よりも少し距離が伸びたくらい。
公園を通り、河川敷を通り、商店街を抜け、学校へと到着する。
その道中でタケルと会うのだが、馬鹿やっていると遅刻をくらう。
時間ギリギリの登校は少し増えた。
唯一、早く登校した日は茶道部に入部した翌日。
3年のアメノウズメ部長が朝も活動しているとの情報を知ったタケルに、強引に連れられたからだ。
結果的に言えば、毎日朝活動しているわけではなかったため、水の泡状態。
(早起き無駄になっちゃったよ。それに、確か……同じように早く登校してた生徒にギョッと見られたんだよね──まぁ、あれはタケちゃんの形相が気持ち悪かった所為もあるけど……)
かなり痛いが、タケルがしょぼくれていたのは数時間だけ。
その楽観的さ、ポジティブ感には、尊敬さえしてしまう。
(僕には出来ないや)
加えて、異性に対しての恋愛感情もタケルのように豊かではない。
日中はクラスの女子に目を輝かせ、放課後は部長に恋い焦がれている様は忙しなく思う。
(全く、どうしたらあんなに想い寄せれるのかな?)
オロチでは、友達以上の感情を抱けない。
好きな性格に巡り合っていないからかもしれないが、今直ぐ欲しいとは思わない。
しかし、感情豊かなタケルを少しばかりは羨ましく思う。
(僕にも、いつかは……あるのかな?)
そんな事を考えつつの放課後、部室へとやって来たオロチは初っ端から正座させられている。
「イテテテテッ」
茶道における基礎の練習中だが、長時間の経験乏しく、足が痺れたのだ。
同様に、横のタケルも悶絶している。
「先輩、キツいっす」
「甘い!!」
「精神が貧弱」
「ぐふっ……」
茶道部員は1年が3人、2年が3人、3年は1人。
2年は女子2人・男子1人の内訳で、今日は女子2人が来ている。
物理的に喝を入れるのはタギリ、毒舌なのはタギツ、2人は姉妹。
「ご勘弁くださいぃ〜」
「ならん!座れ!」
「男なのに軟弱」
「ガハッ……ッ」
肉体攻めも言葉攻めも、血反吐を吐くほどのダメージ。
「なんで番長は何ともないんだよ!」
「俺か?あぁ……、祖父の実家が寺だから?」
「なんで疑問形なんだよ!」
「知るか!他に理由が思い浮かばんのだ!」
「そもそも、何で一人称が“俺”なんだよ。番長なら普通は“ワシ”だろ!作者だって、中途半端にしたことを後悔してるはずだから今から変えようぜ」
「誰じゃ作者て!俺は俺じゃー!」
「それだと俺と被るんだよ!!」
「まぁまぁ、落ち着いて2人とも……」
───バキィ!ボコォ!
「ふぐぅ……ッ」
「おぶぅ……ッ」
(ほら、言わんこっちゃない)
「2人とも、せ・い・ざ」
「「あ、はい」」
「雑魚乙」
女子の笑顔は怖い。
竹刀片手に持つ場合は特に。
そんなこんながあっての帰り道、オロチはタケルと河川敷を歩いている。
「部長て毎日来ないのな」
「3年生だから大変なんじゃない」
「あー、受験か?」
「んーかも?」
「俺らには当分関係ないイベントだな」
「だねー」
水切りが上手くいかなかったことに、舌打ちするのはタケル。
「ちっ、角度が悪かったか」
「タケちゃんは変わらないねぇ」
オロチの言葉は水しぶきにかき消される。
「ん?何か言ったか?」
「……いや何も」
「分かったぞ!成長してないって言ったんだろ!」
「そうは言ってないよ!」
「今に見てろ。直ぐにその背、追いついてやるからな」
「あーはいはい、頑張って」
「他人事だとぉ!?」
「他人事だよぉ!!」
遊び呆ければ、日は暮れる。
「──タケちゃんは、変わりすぎないといいけど……」
「ん?何て……変態!?」
「言ってないよ!」
「そう……か」
しっとりとした雰囲気になっているが、この物語は別に終わらない。
喜劇なのだから、そう終わることはない。
安心してもらっていい。
オロチの取り巻く環境は、これからも絶えず変化する。
だかしかし、読み手がいる限り続いてく。
学校行事も、まだまだ盛り沢山。
あと100話は、あるだろう。
そう、願いたい。
〜Fin〜
「本当にまだ終わらないよ!!今日もいつも通り、もう1話掲載!!」
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさま(・∀・)
この作品に出会ってくれてありがとう。
更新日は不定期です。
週一程度に更新できたらと思ってます。
長い付き合いになるかもしれません。
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