レクリエーション大会
入学して1週間、生徒同士の親睦を深めるためのレクリエーション大会が始まる。
例年通り、1年生のみ参加となっており上級生は不参加、1年生全3クラスの勝負になる。
男子にとってはある意味見せ場になるわけで───
「キャー!!スサノオ君、頑張ってぇ!!」
「イザナギくぅん、ステキィィィイ、好きぃ!!」
躍動する姿、飛び散る汗に悶絶する女子。
そう、季節は春である。
浮ついていて何も問題はない。
「ぐぬぬぬ……」
だがしかし、光ある所に闇はある。
「ムキイィーー!!!」
闇があるからこそ光輝く。
「今、俺も点入れただろ!!何で声援ないんだ!?」
「さっ、さあ?負けてるから?」
闇の住人、ヤマトタケル。
怒り顕にしても仕方ない。
見せ場が美男子達に奪われているのだから。
1年2組のスサノオとイザナギは運動神経抜群、頭脳明晰、容姿端麗の至れり尽くせりで非の打ち所がない。
注目度は圧倒的、闇の住人では歯が立たない。
「同じ汗かいてるのに、こっちはジメッとしてるや」
オロチもタケルも運動能力は高くない。
普通、平均的、凡人、陰キ───
「俺は陰キャじゃねー!!」
「うわっ、どしたの急に??」
「なんでもだ!やるぞ、こうなったら……あいつらの鼻へし折ってやる!」
「暴力は良くないよ」
「比喩に決まってんだろ!ヒ、ユ!!」
「タケちゃんが……比喩を使っている??」
「おいオロチん、まずは俺たちの勝負が先か?」
「比喩って言ってたじゃん!」
「いーや、ここは白黒つける必要がある──」
振りかざす拳、親友同士の勝負は100戦以上、その全てに於いてオロチが勝っている。
勝因はいつもリーチの長さ、尻尾往復ビンタは痛い。
「ふぎゅう」
倒れ行くタケル。
───ドムッ!!
「ホゲェ!」
「暴力は良くない」
そこに入るはまさかの追撃。
「番長!」
「番長だ!!」
遅れてやってきたのは、オロチたちと同じ1組の生徒、番長の異名を持つほどの大柄、オオクニヌシ。
その一撃は、綺麗に鳩尾に決まっている。
「番長、来てくれたんだ」
「あぁ、まぁな、遅れてすまない」
「しょ……ぶは……ついてた……ガクッ」
「番長がいるなら100人力だよ」
「言っておくが、スポーツは苦手だぞ」
そうは言ってもである。
1組男子は異常な盛り上がり。
悶え耐えたタケルも、漸く起き上がる。
「ふぅ、番長知ってるか?バスケは速さでも高さでもない、ディフェンスだ」
「ほう」
「得意だろ?その頑丈さ、俺たちに……いや奴らに魅せてやってくれよ」
「いいだろう、俺を上手く使ってくれ」
「うっし!行くぞ、野郎共オォ!勝つのは俺たち1組だぁ!!ファイッオー!!」
「「オー!!!」」
一致団結する1組。
パスの精度は上がり、連携が意味を持つ。
鉄壁は崩れず、山の如し、追加点は与えない。
「はぁはぁ」
「はぁはぁ」
飛躍的な向上は、2組を脅かす。
個々の能力は低くても、点と点が結び線となる。
「はぁはぁ」
「はぁはぁ」
事前情報が勝負を分つのではない。
決するは、団結力。
そう、奇跡は努力したものこそに訪れる。
ピピーー!!
試合終了の笛音。
点数は100対3、オロチたちの圧倒的敗北、1組の点は番長が到着する前に入れたタケルのスリーポイントのみ。
だが、番長が来たことで点差は100を超えなかった。
これは、凡人の彼らにとって奇跡でしかない。
「やったね、タケちゃん!」
「そうだな、オロチん」
「流石だぜ、番長」
「ありがとう、番長」
「おうよ、役に立ててよかったぜ」
「ははは」
試合終わっても、響き渡る笑い声。
それを2組が、ドン引くのも無理はない。
1組女子も───
「ほんっと、男子ってバカ」
遠目で馬鹿騒ぎを見つめている。
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさま(・∀・)
この作品に出会ってくれてありがとう。
更新日は不定期です。
週一程度に更新できたらと思ってます。
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