黄昏
「卒業しちまったなー」
オロチたちが入学してほぼ1年が経ち、今日をもって3年生のアメノウズメは卒業した。茶道部としても盛大に見送り、1つ大きなイベントが終わり、何となく胸の中に虚空を感じていた二人は、センチメンタルな気分になっていた。
沈黙。
暫くずっと、そんな時間が過ぎる。
ふと声を発したタケル。
「俺たちじゃ、元部長は超えられない」
「……だね」
当たり前、オロチも肯定する。
「俺たちは、どんだけ成長した?」
「……さぁ?」
不明。
「この1年あっという間だった、秒だった、春から冬へとそして春、俺たちは何か成し遂げたか?また1年、簡単に終わるぞ、それでいいのか!?」
「なにさ急に………何かに毒された??」
「ちゃうわ!!元部長の周辺、すんごい人だまりだったろ?俺もあんなふうに、いや絶対に、そう確実に、皆に慕われる先輩になんないといけないって思ってるだけさ」
「あーね。つまり、いつも通りチヤホヤされたいと……ふむふむ、なるほど。朝から変だなと少し心配してたけど杞憂だったみたいだ」
「なにがキユウだ、こちとら大真面目だ。何も変わってなけりゃ、後輩に舐められるだろ。俺はそういう心配をしてるんだよ」
「でも自分じゃ、どれだけ変わったかなんて分からないよ」
主観的なモノサシでは精度が割れる。やはりここは客観的な判断が必要不可欠。
「──ならば、ドッシリと構えとけばいいんじゃねーか?」
二人だけの部室、その戸を開けたのはオオクニヌシ。
「どういう意味?」
「おい番長、適当な事言ってるだろ。俺らはそんなにガタイよくねーよ」
「見たとおりを言っとらん。思い出せ、お前らの初期はどんなだった?どう行動した?どんな結末だった?同じ事を繰り返さず、その時対応された事をやっとけば、自ずと成長した証になる。次の1年には舐められんだろうよ」
当時を思い出す二人。
なんとなーくではあるが、オロチはオオクニヌシの言葉の意を理解した。
「あーー、でもそれって、運も必要だよね。それに、あの時って、最初の対応って上級生じゃなくない?」
「だが、ドッシリとしていたろう?安心感はあった、それに直ぐに上級生も来た、何も間違ったことは言っとらん」
「おい番長……おまッ、自画自賛だろっ!!」
ようやく、タケルも気付いた様子。
「まぁ、そうとも言う───だが、十分参考になった、のではないか?」
「だね」
「あぁ、まぁ、少しだけな」
成長しているか、慕われるか、自信を持てるかどうか、その機会はいずれやって来る。たぶん、おそらく、きっと、もしかすれば、十中八九、可能性はゼロじゃない。
だからこそ悩んでいたタケルも目を輝かし、『ちな、あのチラシは誰が?』と意欲見せるのだ。
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさまです(・∀・)
この作品に出会ってくれて感謝。
この(青春)コメディ作品はあと1話で完結します。
最後まで宜しくお願い致します。




