鐘付き
ゴォ〜〜〜ン。
除夜の鐘が鳴る冬空の下、正座して鐘の音聴くのはヤマトタケル。本格的に手を縄で縛り足枷も付いている。
「オイッ、ちょっと待て。どこが本格的だ!拷問じゃねーか!!」
クラスの女子と鐘付きが出来るという虚言に惑わされ、ホイホイとやってきてしまったタケル。煩悩を掃き捨て終わるまでは家にも帰れない。
「美女もいねーしよ、家でTV観てた方がよかったわ」
「美女ならここにいるぞ、ほらッ」
オオクニヌシが指差すのは老婆。オオクニヌシの祖母。そうここは、オオクニヌシの祖父母が営むお寺である。
ゴォ〜〜〜ン。
「自分ちのババァ勧めんなよ、気持ちわりィし、親不孝だろがッ!」
「おまッ……、他人んちの家族にくらい礼儀正しくなれんのか!」
喧嘩、にはならない。
一方的な殴打、腹パン。『暴力反対』と喚くタケル。その近くでは、オロチが温かい茶を啜っている。
「オロチん、謀ったな!」
「いやいや僕を責めないでよ、僕だってほら正座中でしょ」
正座アピール。但し、手首に縄は付いてない。
「卑怯者オォ!共謀したなァッ!」
「仕方ないわい、こうでもせんと来ないだろう」
「るっせッ、なら普通に誘えよな!」
「まぁまぁタケちゃん、そんな怒らない。僕だってゲーム我慢してやって来てるんだから」
ゴォ〜〜〜ン。
「煩悩捨て終わったら鍋を出す」
「豪華料理くらい振る舞えッ!」
「捨て切らなかったらやらん。直に来る先生たちに振る舞うとしよう」
「アァん?先生呼んで何で女生徒呼んでねーんだよッ!恥ずかしゴリラめ!」
もう一発。『理不尽』と更に喚くタケル。
「暴力は見過ごせないよ」
「あっ校長」
「大丈夫です。鎖帷子着させてるんで、ダメージ無しですよ」
「ほう、それはそれは物珍しいね。僕用のサイズもあるのかな?」
「いえ、流石にそれはないかと……」
「オイッ、煩悩捨て終わったぞ!」
「ベベン」
「賑やかだなぁ」
「あっ………雪」
ゴォ〜〜〜ン。
夜は長い。
されど、間もなく1つの年が終わる。
ゴォ〜〜〜ン。
「ゴォ〜〜〜ンじゃねー!!誰か、縄を解いてくれえぇぇ鍋を食わせてくれえぇぇ」
ゴォ〜〜〜ン。
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさまです(・∀・)
この作品に出会ってくれて感謝。
あと5話でこのコメディ作品は完結します。
最後まで宜しくお願いします。




