文化祭②
午後、交代時間。
ずっと働き続ける者もいるが、大抵は午前楽しんだ生徒と交代する。
オロチとタケルが横並び、オオクニヌシはその後ろを歩く。
1年2年と順に観覧していき、部活動区画の方へと足を運ぶ。
茶道部は盛況。2年勢が切り盛り。タギリとカグヅチが、見た目だけで選んだ生徒を選抜して即興茶対決を繰り返している。審判はタギツ。1年組の出番はないくらいの客の入り用。
「ハハッ」
「すんげ」
「茶道は奥が深い」
感無量と言うオオクニヌシに、二人は『それは違う』とツッコミ。
勿論オオクニヌシも本気では言ってない。これは、それだけ仲が良い、単なる証。
「───っと、もうだいぶ埋まってんじゃねーか!」
体育館。
軽音部含めたライブは直に始まる。席は中ごろまで埋まっている。それもその筈。さっきまで、演劇部の出し物があったのだ。席立たない生徒がいても変ではない。まばらな状態なのは、その所為もある。
『どうする?』と考え合うよりも早く目についたのは、最前列中央のパイプ椅子3つを占領している大福のような巨体。
1年1組の担任、ちゃんエビこと恵比寿である。
「おぉ~、お前たちかぁ、そう言えばあぁ、自分のクラスの方はまだ見てなかったなぁ〜」
ひしゃげたパイプ椅子。温もりもある。
だがこれで、最前列の席は確保された。
「棚からぼた餅なのか?」
「モチモチはしてたね」
「大丈夫か?後から俺らがやったことにならないか?」
心配は椅子。オロチとタケルは無問題だが、オオクニヌシの体躯なら出来なくはないと推測されても別段可怪しくない。
「なら地べたに座る?」
「いや、ここは……直す!」
と言いながら、元の形状へと戻そうとし始めるオオクニヌシ。そうする内に、体育館の照明も消え、始まる演奏会。
吹奏楽部、琴部、合唱部、軽音楽部へと続く。
大トリの軽音楽部のステージは大盛況。ツクヨミがボーカルを務めることで、美声が轟いている。凛と華もある。アマテラスのガラ声も矯正出来たようで、ステージの端では『ベンベン』と顧問の弁財天が呟いている。
皆、総立ち。
アンコールだってある。
そのおかげで、オオクニヌシはパイプ椅子の修理に心血注げた。
「………何してるの?」
「………んあ?直すと言ったろう?」
照明灯され、ザワザワと喋りながら帰る生徒らとは別に、ワックスで拭き拭きしているオオクニヌシ。
「番長、聞いてた?」
「何がだ?」
「「………」」
「これなら、怒られんだろう、完璧だ!」
「あーうん、だね、流石は番長」
「こりゃ、馬の耳に念仏だったわけだ」
「何だお前ら、変だぞ?」
『その言葉、そっくりそのまま返すぞ』と勢いある目付きはタケル。オロチは苦笑い。オオクニヌシが気付いたのは、オロチたちが体育館の外へと踵を返す時だ。
ステージに背を向ける体躯の大きい輩に、同じクラスのアマテラスら気付かないわけもなく………
「ななななッ……!?」
文化祭は無事? に終わる。
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