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文化祭①

 ドタドタ、バタバタ。


 文化祭は既に始まっている。オロチたちのクラスは結局〈メイド喫茶〉に決まり、メイド服着た生徒が他クラスや他学年の生徒をもてなす。


 品の無い教室。


 そう思えるのは、野太い声が響くのが原因。



「オムレツ一丁お待ち!!」



 紙皿なのに割れそうな勢い。



「はよぅ、召し上がれやッ!」



 圧迫感。


 これも重大問題ではある。メイド喫茶………喫茶店とはほど遠い。



「タケちゃん、もっと丁寧に優しく、だよ」

「従順に指摘までしてんじゃねーよ、オロチん」



 このような状況下に陥っているのはそう、1年1組のメイド喫茶が男子主体となっているからだ。女子は補助役に徹している。予め用意していたオムレツを紙皿に乗せるだけ、持っていくのはメイド服着た男子どもだ。


 体躯の大きいオオクニヌシも、メイド服を着こなしている。


 嫌々ながらのタケルの袖はギッザギザ。更には鬼の形相。笑顔も全く振り撒けていない。


 オロチがタケルのことを出来上がっているなと思ってしまうのも無理はない。



「ふーッ、ふーッ……」

「タケちゃん、ほら落ち着いてケチャップ取って何か書いてあげて───」



 無造作に握られたケチャップ。


 始まる前、怒り心頭でぶち撒けていなければ、今頃生徒の顔はドロドロに赤く染まっていたに違いない。そういう意味で考えれば、先刻の騒動はあって然るべきだったと言えよう。オオクニヌシに抑えられた上に、卑弥呼に腹パンをくらったことで一応の制御はされた、とみて問題無い。



「喧嘩上等だ、ほら食えよ」



 皿をはみ出るほどの文字。これが本当の店ならクレームものだろう。文化祭で良かったと、つくづく思うのはオロチたち。


 しかし、客の入り用(生徒たち)は少ない。


 専ら、その影響の原因は誰かさんにあるのだが、入れ込みするほどでないのも事実。



「どうして、ツクヨミさんがいないんだ」

「それは───」



(前から言ってるよね)



「現実を未だに受け入れられんようだな」

「うるせェ、受け入れてる番長のがスゴイぞ、キモいくらいだぜ」

「学業は真面目にやる、それが俺のスタイルだ」

「ケッ」



 1年1組の美人3人組(アマテラスは…?)は、それぞれの部活動の出し物の手伝い。書道部のアマテラスは中庭で巨大筆使って字を書いている真っ最中、写真部のコノハナサクヤは各出し物の写真撮影、放送部のツクヨミは自慢の美声を校内に響かせ盛り上げている。



「でも、アマちゃんたちって、午後からライブするよね?軽音楽部の」

「うむ、見に行かんとな」

「それは勿論賛成なんだが、アマが歌うとなると事故るぞ」

「………大丈夫でしょ、ベンテン先生が指導してるみたいだしさ」



 無音。


 アマテラスの幼馴染であるオロチとタケルが嘘を言う筈もない。


 それ故に、オオクニヌシは恐怖した。



「まっ、まぁ午後までには時間がある。暫くは真面目にやろう、真面目にワスレヨウ」

「そうよ、2組に負けないくらいにね」



 隣の2組は対極の〈執事喫茶〉。スサノオやイザナギといったイケメン揃いで客入り(生徒)は多い。



「「………」」



 女装しているメイド服の男子と礼装している執事服の男子なら、普通に後者を選ぶだろう。前者を選ぶ生徒は物好きでしかない。敗北は前提条件。



「クソが、真面目になんてやってられるかァァァ!!」

「まぁまぁ、じゃん負けなんだから仕方ないよ」



 オロチの慰めが慰めになっていないと気づくのは、それから直ぐの事だった。










どうも、新年あけましておめでとうございます!


この作品に出会ってくれて感謝。

更新日は不定期です。

週一程度に更新できたらと思ってます。

長い付き合いになるかもしれません。

少しでも面白いと感じたらブックマーク宜しくお願いします(≧▽≦)

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