文化祭準備
文化祭までの準備期間、各クラス及び各部活の生徒たちは準備に勤しむ。衣装作り、飾り付け、小道具用意、動作確認等々盛り沢山。1年2年は、この時期とかく忙しい。文化部の晴れ舞台でもあり尚更と言える。そんな中、本日の準備目標をある程度終わらせたオロチは、校内を練り歩く。
物色、ではない。
覗き見、でもない。当然だ、文化祭は当日を楽しんでこそ。今から、どこのクラスや部活が何をするかなんて気にするのは以ての外。オロチだって、楽しみはあとに取っておく思考の持ち主だ。
それなのに、フラフラと歩いているのは何となくだ。
一人の時間が欲しかった、というのが妥当かもしれない。
もしくは、皆が楽しそうに作業している風景を傍から見たかったみたいな、センチメンタル雰囲気になったからもしれない。
(中学生って大変だ)
小学校では経験しないことだらけ。当然と言えば当然だが、オロチには余計新鮮に感じていた。
個性溢れる友人や先輩と教師に恵まれたのも理由の1つだろう。
時間が簡単に、あっという間に過ぎていく感覚。
窓から見える夕日が、それを物語る。
(僕はこの半年でどれくらい成長できただろう?)
重度のセンチメンタル。
その雰囲気が合うのは詩人くらいだろう。間違っても、オロチには出来ない。タケルよりかは幾ばくかマシだが、一番似合うとすればオオクニヌシ、しかし体型的に合致しないため、この話は霧散したと言っていい。
全く持って意味ない妄想を繰り広げている……のはオロチか作者か、その判断は貴方次第。
(風……)
そんなやり取りを払拭するかのように、窓という名の壁を越えた外風が廊下へと入り込む。僅かに開いた隙間、聴き流すことのできない風音に興味唆られたオロチは、窓を全開に開き佇む。
2年3組の廊下窓、オロチは何処に行こうとしているやら。
と、そこへやって来たのは、低身長の権力者。
「元気かい!?」
「はい、可もなく不可もなくです」
「そうなのかい!?何やら感傷に浸る生徒を発見したような気がしてね。ここまでやって来たってわけさ」
「校長も物好きなんですね」
黄昏れるのは、2年生徒でもなければ担任でもない無関係者。
「それにしても、良い風だね」
「そうですね」
「声も良く通る」
「そうなんですよ」
見下ろす先には、ギャーギャーと喚く者達。
「準備は順調そうだね」
「……かもしれません」
メイド服着されそうになるタケルが教室を抜け出そうとしながら、いつの間にか居ないオロチの名を叫んでいる。
「君の名を呼んでいるよ」
「……かもしれません」
「良い友だね」
「かも……そうですね」
心地良い時間を風が運ぶ。
それに関しては嘘偽りない、紛う事無き真実。
そっと教室抜け出すのも、最良の一手。
裏切り行為ではない。
見放してもない。
一時的な離脱。
何故なら彼ら二人、オロチとタケルは親友なのだから。
はい、作者の過度のセンチメンタル。
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさま(・∀・)
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更新日は不定期です。
週一程度に更新できたらと思ってます。
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