茶道部残留テスト②
上級生2年カグヅチのレッスンは、意外にも丁寧。
薔薇を口に咥える動作は不必要ではあるが、教え方はタギリより圧倒的に上手い。無論、タギリが1年衆(主にタケル)を蹴落とそうとしているのもあって、分かりやすく教えていなかったのもあるが、それを差し引いてもカグヅチに教わった方が遥かに覚えやすい。
「ボクは幼少期から英才教育受けてるからね」
『普通の家庭とは違う』、それを強く誇張するカグヅチは鼻高々に自慢する。
「人に教えるなんて、そう難しいものじゃないんだよ」
「ケッ!!」
反論するのは、当然のようにタギリ。
女の子らしからぬ言動も、茶道部員である以上、オロチたちも見て見ぬ振りはできない。ただ、二人の会話には入れない。それは双子のタギツも一緒。四人して、言い合いを眺めている。
「ボンボンが茶道の何たるかを伝授しようなんて100年早いわ。部長にだって絶対勝てっこない!」
「どうかな?今のボクはかなり洗練されてると自負しているよ。部長にだって敵うはずさ」
言葉のキャッチボール。
「そもそも、私にすら勝てないでしょ」
「何を言ってるんだい?次期部長のボクが、キミ程度に負ける筈ないじゃないか」
「はぁん?じゃ、やってみる、ボンクラ?」
「いいですよ、愚民」
暴言の連続。
残留テストでは、部長のアマノウズメが審査員ということを忘れているまである。
作法の練度が、世代交代に影響することも、実は無い。つまりこれは戯れ、遊び、無意味な勝負でしかない。
互いに切磋琢磨すれば、より上達するのだが、火と水は交わらず。
と、そんな火花散る和室に何やら視線を感じた一同。
振り向く先には入り口、引き戸、襖状のマス目1つに穴が空いている。
「へんたっ───」
タギリが叫ぶよりも早く、颯爽と動いたのは、貴公子カグヅチ。
覗き穴へと指付く一撃。
悲鳴、そして倒れ行く不審者。
意気揚々と凱旋するも、起き上がったのは顧問の福禄寿。
青褪めるカグヅチ。
そう、これは顧問が顔を出すことを予め知っていた、タギリの高等テクニック。
2年の番付けは、既に始まっていたのだ。
カグヅチの評価が、地に落ちたのは言うまでもなく、『計ったなぁ!!』と叫び散らかす物言いもまた言い争いの発端となる。
オロチたちのレッスンも中途半端な状態で、テスト当日を迎えたのだった。
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