休み終わって
あっという間に夏休みは終了した。1ヶ月は余りにも短く儚いが、人は成長し、思い出を作る。しかし、納得のいっていない者が一人、此処にいる。
「有り得ねえんだけど」
ヤマトタケルである。
不貞腐れ、廊下の窓辺で佇む。その横にはヤマタノオロチ。
「なぁ、聞いてる?」
「まぁ」
「まぁって、あのなぁ…………これは俺達に対しての侮辱だぞ」
「そうかも、しれないね」
「だって考えてみろ!2話だぞ、2話!!行事豊富な夏休み編がたったの2話、海と祭りで終わりとか有り得ねえだろ」
「僕に言われても………どうしようもできないよ」
「寺での勉強会は?美女との戯れは?どこ行ったんだ??」
「2つめのは、ちょっと分からないや」
「そこに充実性があれば、俺だって多少は納得できるさ。でも、そんなのあったか?」
「うーん、微妙だね」
「だろ?強人が狂喜乱舞しかしてなかったよな────アダッ!!」
白眼むくタケル。飛来した教科書は見事脳天にクリーンヒット。
気絶せず立ち上がるのは、それだけ憎しみが強いからか。血は出ずとも、たんこぶは見えるくらいに出来ている。
「おれ………」
「ん?」
「俺が主人公じゃないからだ」
「はあ?」
「頼むよオロチん、俺をハーレムにするべく、身を削ってくれ」
「いやいやいやいや、意味分かんないよ」
「できれば、激アツラブストーリー展開を所望してる」
「無理だってば!」
「そこをなんとか!」
「神頼みみたいな言い方やめてよ。というか、たぶん、それ叶える意味で、アレに抜擢されたんじゃない?」
オロチが指差すのはグラウンド。発生練習は、ついさっき始まったばかりだ。
夏休み後のメインイベントの1つ、体育祭、その応援団。
クラス一人から選出する話し合いで、寝落ちしていたタケルに抜擢────というか強制決定。今日から練習開始になっていて、オロチは遠回しに『参加しなくていいのか』と言っている。
「俺が練習日を忘れてるって思ってんだろ?」
「うん」
「チッチッチ、主役は遅れてやってくる───って言うだろ?」
「よっ、主人公!」
「任せてくれ、貰ったチャンス活かしてみせる!」
現金な男タケルは、やる気に満ち、いざグラウンドへと馳せ参じる。
その後ろ姿は堂々も、グラウンドに到着するなり断末魔。その理由知るオロチは、翌日また愚痴を聞くのだった。
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさま(・∀・)
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