100点取ったら
【テスト2日前 茶道部室】
「100点取ったら、部長に告白する」
唐突の言葉には、同じように勉強していたオロチも番長も、2年生のタギリとタギツも驚いている。2年の男生徒は今日も休み。告白相手である、当人のアメノウズメも、まだ来ていない。
タケルの宣誓に反論したのは女子二人。
「アンタ……正気?」
「無理」
「あたぼうよ!」
ピキッと、圧でペン先が折れる。勿論、折ったのは手の早いタギリ。
「私たちでさえ無理なのに、アンタに出来るわけないでしょーが!!」
「阿呆」
「決めつけはよくねーすよ」
タギリの言う“無理”とは、100点を取ることではない。
二人とも、頭は悪くない。寧ろ、良い。2年生の中では常に上位勢だ。
であれば、何が無理なのか、それは────
「この美貌且つ繊細上品な私でさえOKしてもらえなかったんだから、ブサイクで運動音痴で頭も悪くて茶道のサの字も覚えられないようなガキが、部長と付き合えるわけないでしょが!!」
「変態」
「分かんないっしょ───てか、今変態って言いましたよね?それだけは我慢ならないんでやめてもらえます?」
部長のアメノウズメは人気がある。性別・学年問わずだ。
告白は日常茶飯事。
タギリとタギツだってそう、玉砕経験は何度だってある。だから茶道部に入り、他に虫が付かないよう門番となって牽制しているのだ。そうなると、茶道部員が多くないのは、タギリとがタギツが暴力をもって征していると思われがちだが、そうではない。この部では、定期的な茶道部テストが実施される。つい最近に行われた入門テストでタケルは赤点だった。言い換えれば、タケルの退部は目前と言って差し支えない。
「どうせアンタは無理。最低条件である茶道部継続も無理。次で退部確定だわ───変態だしね」
「うん、変態」
「いやいや次は合格しますって!それに、この中での一番の変態はオロチんすよ」
「ちょっ……ッ、急に巻き込まないでよね!変態でもないし!!」
否定されたタケルは、“有り得ない”というような表情をしている。
「いやだってほら、オロチんは恋愛感情湧かないんだろ?部長にさ」
「うん、そうだね」
即答には、皆が唖然する。黙りを決め込んでいたオオクニヌシもだ。
「有り得ん……」
「嘘でしょ……」
「ある意味、機械」
「──ね、言ったでしょ?」
急な矛先転換。
タケルの100点取る問題、告白問題は何処に行ったのやら。
人外と認識されそうな雰囲気には、流石のオロチもキレる。
「どうだっていいじゃん、そんな事!!僕は僕だよ、恋愛なんて……まだ必要ないじゃん!」
悲鳴にも似た驚きが飛び交う。
「まぁ、人それぞれだ」
「うわぁ、人生損してるわ」
「ある意味、子供」
「──ね、言ったでしょ?」
無限ループしそうな勢い。
「はぁ、もういいよそれで、タケちゃんも赤点取ったらいい」
「ハアァ!?それが親友に対しての言葉か!?」
「その概念は今崩れたばかりさ」
終わらない口論。
本当の仲違いには発展しないものの、アメノウズメが顔を見せに来るまで続いた───結果、勉強は捗っていない。しかも、下校間際。時間を無駄にしたと気付いたが後の祭り、タケルの進退は如何に…………
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさま(・∀・)
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