それぞれの目論み
(まさか、林間学校がこんなにもハードモードとはな……)
山登り中、先頭を歩くのは3人、その内の1人タケル。
友人であるオロチは後方、番長でさえ真ん中辺りで止まっている。
(早朝から歩いて昼には山を下り、夕方から飯作りだつて?超絶疲労まっしぐらだぜ)
年間行事とはいえ、よく許可が降りたなと思うタケルだったが、別に怒っているのではない。
寧ろ、やる気に満ち満ちている。
なぜなら、頂上一番乗りを狙っているからだ。
それこそが、一番格好いいと思っているまである。
(モテモテ要素満載だぜ。レクリエーション大会の負けを払拭できるってもんだ。2組のスサノオたちは……番長と同じくらいの位置だし、圧倒的だな)
頂上で景色を堪能する目的は全くない。
原動力は、まさに欲望。
(問題があるとすれば……ちっ、コイツらいつまで着いてくるんだ?)
タケルの横を歩くのは、同じく1組の生徒2人。
かなりの速さで歩いてるのに足が衰えないのは驚愕。
(どこかで振り切りたいが………)
そのタケルのチラ見をバッチシと気づいていたのは、3人の真ん中にいる、アマテラス。
アマは、中指立て挑発していた。
(アンタには負けないから)
他の生徒や先生が近くにいないことで、小学生じみた争いが勃発している
抜かす追いつくの駆け引きは連続、長く続いている。
(あーもう、面倒ね!)
アマが一番乗りを目指すのは、1組の学級委員を務めているからだ。
才色兼備を狙っている───のだが現状、才も色も持ち合わせているのは、ツクヨミという難敵。
しかし、友達である以上、蹴落とすことは不可。
であれば、自分が頑張るしかない。
一番に登りきれば顔も立つ。
これは、単なる意地だ。
(そこを退きなさい!私の前を歩くな!)
服を引っ張っては、立ち止まるタケルとの攻防。
それを横目に見ながら牽制しているのは、同じくトップを歩く内の1人。
卑弥呼ことキメコ……いや、卑弥呼。
(ぎゃあぎゃあ、さっきから五月蝿いんだけど、ちょっと静かにしてくれない!?)
言葉は口に出さなければ伝わらない。
だが、もとより伝える気は無い。
そんなことに労力を割くのは論外。
山を登るために無駄な争いは避けるが無難。
卑弥呼の行動は、とても理に適っている。
(あと、もう少しのようね)
目に入ったのは、頂上までの距離を示す看板。
(一番は私が貰う!!)
卑弥呼の理由は、単純明快。
『早弁の卑弥呼』という二つ名の持ち主が、他者に一番を譲るわけがない。
登校ですら早いのだ。
登頂だって、許す気は無い。
これは矜持。
トップを歩く3人。
欲望と意地と矜持が、ぶつかり合う。
どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさま(・∀・)
この作品に出会ってくれてありがとう。
更新日は不定期です。
週一程度に更新できたらと思ってます。
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