東の旅
商人の連合会、商会「東の旅」の会議所は、その名の通り町の東端に位置していた。ジェイクに連れられて両開きの扉を開くと、正面に受付があり、若い女性が二人立っていた。
「お久しぶりです。ジェイクさま」そのうちの、髪が長い方が言った。
「よう、ジェーンちゃん、久しぶり。元気してた?」
「あなたに心配されるまでもないくらいには」
「相変わらずつれないねえ。スージーちゃんはどう?」
「元気元気!ジェイクさんも元気そうだね!」
「おうよ!元気だけはいくらあっても困らないからな!」
「もう、少しは困ってくださいよ。相変わらずうるさいなあ」ジェーンは鬱陶しげに言う。「ところで、そちらは?」
「そう、門前でスカウトしてきたのよ。なかなか骨のある若者でなあ、俺なんか、そこで殴られそうになっちまった」
「へえ!」スージーが感心したように相槌を打った。「それはホントに骨太だねえ!」
「えーと…」ブルーは困惑している。
「ああ、すまない。あらためて、ようこそ。東の旅へ。こちら、ギンズバーグ支部の看板娘、スージーとジェーン。どうだ、なかなか別嬪だろう」
「なんかおじさん臭い」とスージー。




