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往来で喧嘩するな
「おう、兄さん、無事に通れたか、よかったな」ぼんやりしていると、男が話しかけてきた。先程ジェイクと名乗っていた商人である。
「厳しかったろう、あの関所は。よくいるんだよ、問い詰められて、ありもしない罪を白状しちゃう奴らがさ。あとであれは間違いだった、って言っても手遅れ。関所で嘘をついたら、それだけで重罪だよ。ま、関所の奴らにもノルマがあるらしいし、商人の手形は偽装しやすくて多く出回ってるからある意味仕方ないがね。むしろそんな中途半端な気持ちで関所をくぐろうっていう奴らが悪いよ」
ブルーは立ち上がって、ジェイクの胸ぐらを掴んだ。
「よくもそんなセリフが吐けたな!罪もない人が捕まって、お前はなんとも思わないっていうのか!」
「思わないね」ジェイクはブルーの手を振り払い、乱れた服を整えながら返事をする。




