表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/87

暗いときほど楽しい話題を

 二人の話を遮るように、門前の、ひときわ体が大きい兵士が怒鳴った。ブルーだけでなく門前に並んだ全員が身をすくめた。何というやかましい声だろう。まもなく重い音がして、門が開いた。ブルーの混ざった行列はぞろぞろと流れた。中にはもう一つ門があって、人々はその前で並んだ。外壁が二重になっていて、ブルーたちはその真ん中にいるようだった。二つめの門の前には出窓のついた小屋のようなものが設けてあって、そこを通る際に関の改めと、いくつかの質問を受けることになっている。ブルーはあたりを見回した。その誰もが口を聞かず、改め所目がけて歩いていく。


 先程まで気楽そうだったジェイクでさえ、厳しい表情に変わり、陰鬱そうに歩を進めるだけである。かつての景色とは似ても似つかないな、と、ブルーはかつてを懐かしく思い返した。さっきジェイクも話していたが、彼が出入りしていたころは、門番こそいたものの、このようなものものしい人間はおらず、どっちかというと気さくな人間が多かった。通行人と手を振りあってあいさつさえすることもあったくらいである。それがどうだ、みんな、まるで囚人じゃないか。


「ひえええ!!!!助けてくれええ!勘弁してくれええええ!」


 改め所の扉が開くと、衛兵が二人飛び出してきて、小屋の前で言い合いをしていた物乞い風の男を抱えるようにして連行していった。ジェイクがこちらを振り返り、目配せする。ブルーは青い顔で、とりあえず頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ