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金貨の船で海を渡れ

「当たり前じゃないの。自慢じゃないが、わしゃ一銭も持っとらんので。こんなァ以外に誰が払ういうの」


「いや、でも僕はついてきてくれなんて頼んだおぼえは」


「往生際が悪いのう!早う出してやらんかい!こいつらがおらなんだら、わしらはとっくに死んどるかもしれんので!坊主、ここはおどれの男っぷりが試されるところじゃ、気前良う払ったれィや!」


 それでも出し渋っているブルーの手から巾着をひったくって、ソルフェが金貨を七、八枚ばかりガーディンに手渡した。


「ほら、こんだけあれば足りるか」


「いや、足りるもなにも、もらいすぎですよ」


「ええんじゃええんじゃ。なに、あんまり銭を持ちすぎての、ここの坊主なんぞは動きが鈍うなって、喧嘩もままならんのじゃ。のう、ちったあ軽うになったじゃろうが。飛んでみい、ほら、ジャンプジャンプ!」


 言われた当本人、ブルーは肩を重たげに落としていた。ついでに気も果てしなく重くなっていた。


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