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子は親に似る、親は子に似る
「ほら、ソルフェちゃんもああ言ってるよ。頑固親父のおかげで迷惑してるって」
「頑固なのはどっちだ。ここまで育てて来た恩も忘れやがって。いいから言うことを聞け!」
「育ててきた?」アケミが眉をしかめた。
「そんなに偉そうに言えるほどいい暮らしだったと思う?普通の家庭ならまだしも、乱暴者たち、それも人殺しだってなんとも思わないような奴らと、生まれて十九年暮らしてきたんだよ!教わったのは盗みと人殺しの術だけ。それがやっと、ちゃんとした人の役に立ちそうだっていうのに、なんで止めるのさ!」
「それは…」ガーディンが苦虫を噛み潰したような顔をして黙った。
「わしらがちゃんとした人間かどうかは置いといて、どうやら、分が悪いようじゃのう」ソルフェがガーディンの肩を叩きながら言う。




