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独白

「姉御には(かな)いませんね。なぜああしたかって、そりゃあ、命が惜しかったからですよ、こいつらの」バツが悪そうに彼は続ける。


「あの満月の夜、姉御が最初に斬った二人のうちの一人、ジョーイはね、我々の中でも指折りの短刀使いだったんですよ。戻ってきた子分から、そいつが何もできずに一太刀で死んだ、と聞いた時、私はみんなに、その相手とは関わるべきではない、と言ったんです。その翌朝、ヤヌアールさんがやってきて、青年と少女が二人連れで杉林を通るから、荷物を奪ってほしい、と言いました。金はお前らにやるから、と」ヤヌアールはソルフェをじっと見つめて目を逸らさない。


「初めて会った日にも言いましたが、ヤヌアールさんのような人に背を向けるのは自殺行為というほかないんです。特に我々のような渡世人にとってはね。といっても、仕掛けるのは昨晩ジョーイを軽く倒すような人間たち。前を見ても崖、後ろを見ても崖、最悪の気分でしたよ。それで、アケミにはねぐらの番を言いつけて、ここの二人にも後方支援に徹しろ、と命じてあったんです。そうすれば、最悪でも私の首が飛ぶだけで済む。ヤヌアールさんだって、私が殺されれば生き残った者たち――いや、ここにいる三人――には手を出さないだろう、と思ったんです。私はね、正直言って、他の奴らと、こいつらの命が同じなんて、これっぽっちも考えてないんですよ。一族の棟梁としては失格ですわ」ガーディンはきまり悪そうに笑った。


「そう考えた瞬間、私はここにいてはならない、と思ったんですよ。だから、姉御に誘われたのはラッキーだった」


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