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拳に願いを

 ソルフェ側から一人、ブルー側から二人が、ほとんど同時に飛びかかってきた。ブルーが振ったナイフは当然のように空を切り、がら空きの脇腹めがけて切り込んでくる一人を、彼は間一髪身をよじって避けた。はずみで振った肘がカウンター気味に敵の顎に入って、その場に倒れた。ラッキーヒットである。しかし、すかさず飛び込んで来たもう一人に対しては為す術がない。ブルーは思わず目をつぶった。


 刺される感覚がないのを不思議に思ったブルーが目を開けると、自分に突き刺さるはずだったナイフが、地面に落ちていた。敵もなにが起こったかわからない様子である。間髪入れず、ブルーは振りかぶってその男の顔面を殴った。渾身の右ストレートが見事に決まり、男はその場に崩れ落ちた。


 振り返ると、ソルフェが最後の一人の手首を綺麗に返して、自分に向けられていた短刀を相手の胸に突き刺していた。


「なんとかなったようじゃの」ソルフェがこちらを向いて言った。どうやらそうらしい。


「しかし、坊主、お前もやるもんじゃなあ、二人ものしてしまうとは」


 彼女は感心したように言う。どうやらお世辞ではなさそうだ。


「いや、まあな……」言われてブルーは照れたように頭を掻いた。とはいえ、一人は偶然だし、もう一人はなぜかナイフを取り落としたためだ。一体、あれはなんだったんだろう――


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