夏の朝は朝なのに暑い
翌朝も、強烈な陽が照りつけていた。いつの間にか寝込んでいたブルーは、跳ね起きた。荷物の入った鞄が気にかかったのである。夜のうちに、ガーディン一派が一切合切と一緒に消えているかもしれない!身体を起こしたブルーの目に、出発の準備をしている一行が見えた。
「兄さん、おはようございます」ガーディンが挨拶する。どうやら、思ったより義理堅い連中であるらしい。だが、いささか不用心だった、とブルーは反省した。いくら気のいい連中に見えたとしても、もとは山賊である。いつどのようなことが起こってもおかしくない。
「朝から精が出るのう。それと、昨夜は交代で番をしとってくれたらしいの。助かったわい」ソルフェがのんびりとした口調で言った。
「気付いてらっしゃったんですか。といっても、我々が逃げ出さないか、逆に見張ってたんでしょうけど」
「ふん」ソルフェが鼻で笑う。
「そりゃちと勘ぐりすぎじゃ。一応、わしはこんならを見込んでついて来てもろうとるんで。トンズラされでもした日にゃ、わしの眼力も鈍ったもんじゃ、と自嘲するだけのことよ」
「ソルフェちゃん、昨日はよく眠れた?」アケミがにこにこしながら尋ねる。
「おう、この通りじゃ。とっとと出発するぞ。雨にでも降られたらかなわん」
「この陽気なのにか?」ブルーが笑いながら言う。




