暴論
「じゃが、おどれを許すか許さんかとは、別の話じゃ」ソルフェは、長刀を彼に突きつける。
「そんな!」
「まあ聞かんかい。何もこの場で取って食おういうわけじゃないんで。一つ頼みを聞いてもらえればいいだけじゃけん」
「なんですか」盗賊の棟梁は、訝しげな顔をして問う。
「まず、おどれらは全員で何人おるんじゃ」
「ここには十八人で来ました。あとは、ねぐらに十人ほど番がいます」
「そうか、その中で、貴様が信じられる者はどれくらいじゃ」
「3人います。運良く全員まだ生きていますよ。おい!ブライアン!カルロス!」
棟梁が手を打つと、一瞬で二人が側に現れた。いずれも隆々とした若者であった。年のころは20代半ばくらいであろうか。片方、ブライアンの方は、二メートルはあろうかという巨漢。タンクトップに、手にはバットのような武器を手にしている。カルロスは、上背こそブライアンより低かったが、鋭い目つきは彼以上だった。後ろに弓を背負っている。
「もうひとりはねぐらで待たせてます」
「ほうか、ほんならの――」ソルフェの目が輝く。
「おどれら、ちっとわしらについて来んかい」
棟梁はポカンと口を開けたまま、動かない。




