表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どこからともなくやってきた少女が全員ぶっ殺す!俺の代わりに!  作者: 爆裂ムービングジャマイカ
第三章 さらば、俺の村~しばらく殺しはおあずけ~
32/87

亀の甲より年の甲

「まったくお前らは揃いも揃って……」むせながら少女は呟く。


「いや、すまん、冗談じゃ。なに、簡単なことじゃ、ギンズバーグの中にはな、昔の戦友がおって、今でも手紙のやりとりがあるんじゃ。それで、そいつがエイプリルによく似た女を見かけたらしい。しかも、名前を呼ぶと、振り返って、走って逃げていったそうな」


「それ、本当か」


「嘘をついてどうなる」

――エイプリルが、生きている!それがわかっただけで、ブルーは天にも昇る気持ちだった。よかった、僕はまちがっていなかった―


「そのことは、村長たちも知ってるの?」


「村長、ヤヌアールか、あいつは……」じいさんは遠い目をする。


「あいつは信用ならん。気をつけろ。お前さんが村を出ることを伝えたか?」


「いや……」


「それでいい、できれば気づかれずに出て行け」


「信用できないって、なんで……。家族だろ」


「なんでもじゃ、あいつが裏で何をしているか、誰も知らん。わしがボケ老人のふりをしとるのも、あいつに悟らせんためじゃ。わしが、あいつを疑っておるということをな」


「なに、あれ演技だったの?」


「当たり前じゃ、わしゃ2回も戦争に行っとるんじゃぞ。そう簡単にボケてたまるかい!お前たちには想像もつかんものもたくさん見てきたぞ、例えば……」


「ああ、もういいもういい!」ブルーは必死に制した。爺さんのいつもの二時間コースの冒頭だったからだ。


「と、冗談はここまでにして……、ブルー」じいさんはブルーの肩に手を置いた。


「エイプリルを、孫娘を、よろしく頼む。あの娘に、もう一度、生きて会わせてくれ」


 ブルーは力強く頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ