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どこからともなくやってきた少女が全員ぶっ殺す!俺の代わりに!  作者: 爆裂ムービングジャマイカ
第三章 さらば、俺の村~しばらく殺しはおあずけ~
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寂しい暮らしだな、じいさん

 あがっていけ、とじいさんが手招きをするので、二人はお邪魔することにした。まだ日は高い。道中そこまで焦る必要はないだろう、というのがソルフェージュの見立てだった。ブルーもそれに同意した。


 薄暗い部屋の真ん中に、こぢんまりと据えられた四人がけのテーブルに、促されるまま並んで掛けた。奥から、ティーカップを二つ持ったじいさんがよろよろと現れたので、二人は焦って受け取った。


「よく来た。ここまで出向いてきたということは……」老人は途切れ途切れに言う。


「ついに助けに行く気になったか、あの子を」


 ブルーは唖然とした。その目的は、誰にも言っていないはずだ。なぜじいさんが知っている――


「その顔は図星じゃな。なに、カマをかけてみただけじゃ」


 食えんじじいだ、とブルーが思うと同時に、「食えんじじいじゃ」とソルフェージュが口に出して言った。


「こっちの嬢ちゃんは誰かの?」


「わしゃソルフェージュ言います。ブルーの旅の用心棒で」


「そうか、こんな可愛らしい娘がのう。そりゃあよろしく頼む。なにしろこのブルーと言ったら寝小便がいつまで経っても治らなくて……」


「関係ないこと言うのやめろよ!」


「怪談なぞ聞いた時は、男だというのにまっ先にわしの孫娘にすがりついてな、そりゃあ情けないもんじゃったよ」


「だからやめろって……」爺さんはブルーを右手で制した。


「だが、見違えるようだぞ、今日のお前は。もうすっかり大人じゃないか。男子三日会わざれば――じゃな」


「いや、三日どころか、ちゃんと話すのは三年ぶりだぜ、じいさん」


「そうとなれば、あれを渡さなければのう」と爺さんはおもむろに立ち上がり、何かを探し始めた。



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