表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どこからともなくやってきた少女が全員ぶっ殺す!俺の代わりに!  作者: 爆裂ムービングジャマイカ
第三章 さらば、俺の村~しばらく殺しはおあずけ~
28/87

晴れた日に外で食べるお弁当っていいよね

 二人が玄関先に出ると、家族はすでに見送りの準備を整えていた。


「気をつけてね。これ、お昼包んでおいたかから。どこかで落ち着いたら、二人で食べなさい」


「ありがとう」


「それから、ソルフェージュさん、くれぐれもこの子をよろしくおねがいします」


「まかせときんさい」とソルフェージュ。


「俺から何もやるものはないが……」父が言いづらそうに喋る。


「じいさんのところに挨拶していけよ。ひょっとしたら、なにかアドバイスをくれるかもしれん」


「……わかった」


「出ていくんなら勝手に出てけよ」兄が毒づいた。


「おい」すかさずソルフェージュが凄む。


「このうえガタガタ吐かすようじゃったら、わしが相手しちゃる。遠慮はいらんよ、いつでもんさいや」


 兄は完全に根負けしたようだった。わざとらしく肩をすくめると、さっさと家の中に入っていった。


「すみませんね。最後まで」母が代わりに謝る。「あの子だって、内心は寂しいと思っているはずなんですが……」


「おい、ブルー」と再び父。


「なんというか……、いままで、気苦労かけたな。あの事件にしたって、みんな、お前も被害者だって、心の中ではわかってたんだよ。でも、誰かのせいにしなけりゃ、やっていけなかった。人が一人いなくなったってことは、そういうことなんだ。仕方がないじゃ済まない。お前が責められてたのは、そういうことなんだ。だから……」


「もういいよ、おやじ」ブルーは優しく言う。


「わかってるから。それに、おやじはあれだけ僕と一緒になって謝って、そのうえ罵られてくれたじゃないか。それだけで十分だよ」


「うん……。すまん……」父の目から涙が溢れる。同じように、ブルーの目からも。


「じゃあ、行ってくる」


「おう、気をつけろよ」


それから先は、振り返らずに進んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ