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どこからともなくやってきた少女が全員ぶっ殺す!俺の代わりに!  作者: 爆裂ムービングジャマイカ
第三章 さらば、俺の村~しばらく殺しはおあずけ~
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母、保身!男を見せろ、親父!

「許しません」と母が言った。父は黙っている。


「道中二人きりなわけでしょ?何かあったらどうするつもりなの?それに、畑仕事だって、もしあなたがいなければ、どうしたらいいか……。」

ソルフェージュは、やれやれ、というふうに首を振った。この小心者の家族は、ブルーの行動のせいで、自らの立場が更に悪くなることを恐れているだけなのだ。どうする、と、ソルフェージュがブルーに視線を送る。ブルーは頷いて、言った。


「おやじ、おふくろ……。僕、この人と一緒に行くことにするよ。ギンズバーグまで彼女を案内したあとも、しばらくは帰って来ないつもりだ」ブルーはきっぱりと言った。


「僕……、僕、このまま生きていくのは嫌なんだ。あの日、ヴァネッサ姉さんに、エイプリルに、何が起こったのか。それを確かめたいんだ」


 両親は黙っている。


「いままで育ててもらって、飯を食わせてもらって、そのうえこんなわがまままで……、虫のいいことを言ってるのは十分わかっているよ。でも、僕からすれば、これはチャンスなんだ。この人、ソルフェージュは、見た目はこんな小さくて、喋り方は変だけど、すごく強いんだよ。ソルフェージュについていけば、きっと安心だよ」


「喋りが変は余計じゃ」ソルフェージュが不満そうに言う。


「あなた―」母が不安そうに、父親の腕を取った。父親はゆっくりと言った。


「……まあ、いいんじゃないか。世間では、次男坊は放浪するもんと、相場が決まってるしな」父はブルーの目を見てニヤリと笑った。


「それにこう見えて、ブルーは意外と根性があるんだぜ。土下座っぷりなんか、俺より様になってるくらいで――」


「ちょっと!何言い出してんだよ……」狼狽うろたえるブルーを見て、父はまだにやにや笑っている。ソルフェージュも満面の笑みを浮かべながら言った。


「いやあ、ええ男っぷりですのう、おやじさん!」ソルフェージュが父の背中をばしばし叩いた。父は頭を掻いた。「いや、そうはっきり言われると照れるな」


「いやいや、たいしたもんじゃ。のう、どっかの誰かも見習みなろうた方がええんじゃないの」兄は床にあぐらをかいたまま、苦虫を噛み潰したような顔で下を向いている。


「そうと決まれば、さっさと支度で」ソルフェージュは嬉しそうに部屋まで駆けていった。ブルーもそのあとを追う。


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