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どこからともなくやってきた少女が全員ぶっ殺す!俺の代わりに!  作者: 爆裂ムービングジャマイカ
第三章 さらば、俺の村~しばらく殺しはおあずけ~
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家族の団欒にお邪魔

「てめえ……」と少女の胸ぐらをつかもうとした瞬間、兄は大きな音とともに床にひっくり返っていた。さっきまで皿の上にあった卵が床に散乱している。兄はどうやらこれを踏んで滑ったらしい。頭を抱えてうめき声をあげる兄をよそに、ソルフェージュはブルーにだけわかるように舌を出した。


「ごちそうさま」と言って彼女は立ち上がった。


「さて、わしゃぼちぼちちますけぇ。どうもお世話になりました。一宿一飯の恩、忘れません」

    

 兄を介抱する両親に向かって慇懃いんぎんに礼を言うと、ソルフェージュはブルーの部屋に引きあげ始めた。ブルーがぼんやりその後姿を見ていると、彼女は振り返って言った。


「なにをほうけとるんじゃ、おどれも準備せんかい」


「え?僕も行くの?」


「当たり前じゃ。わしがおどれを男にしちゃる言うたじゃないの」


「そんなこと言われたっけ……」


「どっちでもええわい、行くんか、行かんのんか」


 首をかしげていたブルーであったが、最終的には少女の言うことに従うことにした。昨晩の、力になってやる、という彼女の言葉を信用したのである。さて、戸惑ったのは両親だ。


「ブルー、あなたまでどこに行く気なの?」


「いや、僕は……」


「ブルーは、わしがギンズバーグまで行くのに、道案内してくれることになっとるんですよ。道中よくご存知いう話を聞きまして。命を助けてもろうて、恩返しじゃ言うてくれたもんですけん、お言葉に甘えようと。あんまり恩着せがましいことは好かんのですが、こればっかりは腹に背は替えられんいうかですね、ははは」


 ギンズバーグ、と聞いた瞬間、場の空気が強張こわばった。


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