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性欲で頭いかれてんじゃねえのか
「……すまん、聞き間違いかのう、なんか突拍子もないことを言われたような気がしたんじゃが。もういっぺん教えてくれんか」
「いや、だからエイプリルはとても美人だから、殺されるはずがないって言ったんだよ。僕だったら、あんな可愛い子、殺さずそばに置いておきたいって思うよ」
「いや、その理屈は……」
「本当なんだ!」ブルーは声を荒げる。
「僕は、あんな綺麗な娘、いままで一人だって見たことがないよ。もしギリアムが殺そうとしたって、臣下のだれかが止めるに決まってる。白い肌に、金色の髪。目は吸い込まれそうなほど深い青色で、理想的なくらいの背丈、赤い唇……どれをとっても完璧だ。あの、絶世の美女だという王女さまにも引けを取らないくらいだよ。それに……」
「わかった!」少女が音をあげた。




