表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/87

エイプリルに会いたい

 急に笑い出した少女に、ブルーは驚くと同時に、少しく怒りを感じた。


「なんだよ、なんで笑うんだ。なにかおかしいかよ!」


「あはは、すまんすまん。しかしまあ、辺鄙へんぴな村から、囚われのお姫様を助けに行くか、なんと古典的な……。スーパーマリオか、こりゃ」


「なんださっきからブツブツと」


「いや、こっちの話じゃ。のう、ブルーよ、さっきの話じゃがよ、ずいぶん無理があることに自分で気付いとるかの」


「どこがだよ」


「まず、おどれの姫様、エイプリルとかいうたかの、そいつがギンズバーグにおるかどうか、そこからじゃ。騒ぎのさなかに、人身売買専門の人さらいに誘拐されて海の向こうにいるかもわからんし、もっと言えば単なる家出かもしれんじゃろ。こんなァの話によれば、娘ッ子は、行きたいところがあるとか、店を持ちたいとか、そんなことを考えとったようじゃないの」


「それはそうだけど、実家はともかくとして、僕にも何も言わずに出ていくはずはないよ」


「よっぽど信用しとるんじゃな。まあええわ。よしんば体制側にさらわれたとしてで、まだ生きとる証拠がどこにあるんよ。そがァに(※1)重要なもんを見てしもうた女、わしなら即殺してしまうがのう。」


「それはそうかもしれない、でも」ブルーは言葉を切る。


「それは大丈夫だと思う」


「なぜそう言い切れる?」少女は問い直した。


「それは……」ブルーは言いよどんだ。


「ええから言うてみ。何が役に立つかわからんぞ」


「僕にはわかる。エイプリルは殺されないよ。なぜなら」


「なぜなら?」


「なぜなら、彼女はとても美人だから」


「は?」少女は呆気に取られたような顔をした。




※1・・・そんなに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ