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ヴァネッサの昔話はけっこう面白い①

『神様が怒ってくれるんなら、そんなに悪魔を恐がらなくてもいいんじゃない?』と、エイプリル。


『そうね。でも、神様だって、人間に原因があるのに、悪魔を責めたりはしないはずよ。昔の悪魔は、神様の代わりに、悪いことをした人間を懲らしめていたの。そんな悪魔でも、元々の性格は恐ろしくて、普段は好きなように振る舞えないから、悪い人を見つけたら、徹底的に虐め抜くのよ。それこそ、歯や髪を引き抜いたり、腕や足を切り落としたり、あ、ごめんなさい』


 眉をひそめているエイプリルを見て、ヴァネッサが謝った。


「ううん、平気。それよりも続きを話して」

「そんな恐ろしい目にあいたくないから、人間は悪魔を怖がって、悪いことをしないようにしていたの。でもね、ある時、ある人間が現れて、こんなことを言い出したの。『我々がこんなに窮屈な思いをしているのは、悪魔がいるせいだ。悪魔を滅ぼしてしまえば、我々はもっと自由になれる』とね。彼には不思議な力があって、彼が声をあげれば、みんなそれについていくの。カリスマ、とか呼ばれている、不思議な魅力ね。それで、彼は他の人間と手を組んで、本当に悪魔を滅ぼしてしまったの。いくら悪魔の力が強くても、数で勝る人間には敵わなかった」


『やったね』ブルーが言った。ヴァネッサは首を振る。


『でもね、このお話はここで終わらないの。悪魔がいなくたったせいで、人間が傲慢、わがままに振る舞い始めたの。そして、神様のことも、だんだんと尊敬しなくなって、自分たちこそが至上の存在だ、と考えるようになったのね。そうすると、当然神様は困るよね。困った神様はどうしたと思う?』


ブルーとエイプリルは首を振った。わからない。


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