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たらこのエッセイ集

忘れられないトラウマ作品ってあります?

※ このエッセイにはショッキングな内容が含まれています

 皆様にとってトラウマな作品ってありますか?


 たらこの世代でよく聞くのはNHKみんなのうたの「メトロポリタンミュージアム」ですかね。

 美術館を舞台に人形がダンスをする可愛らしい映像作品なのですが、ミイラなんかが出てきたり、最後は女の子が絵の中に閉じ込められたりと、幼い子供が見るとちょっと怖いなと思うかもしれないものでした。


 トラウマって言うほどでもなくて、ちょっと怖くて記憶に残るなーくらいの感じですかね。

 壁のシミや木目を怖がるようなもんだと思います。


 他にも「ぬ~べ~」や「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!」が怖かったですね。

 それでも、子供だから怖く感じたって言うレベルの話なんですけど。


 大人になってもトラウマとして残る作品ってよっぽどだと思うのです。

 そのレベルの作品ってなかなかないですけど、そう言った作品に出会うと、たらこは共通した感覚に陥ります。


 ……怖い。


 いや、当たり前だろ。

 って思われるかもしれませんけど、これの「怖い」って通常の恐怖とは違うのですよね。


 作品の中で感じる恐怖って、あくまで安全圏内にいる時に感じる恐怖なんですよ。

 例えるなら、ライオンを檻の外から眺めて、あの中に入ったら食べられちゃうんだろうなって想像して感じる恐怖。


 ……伝わりにくいですかね。


 要は、絶対に自分が犠牲にならないという確信があるので、怖いと感じてもエンタメの域を出ないわけです。

 ジェイソンも、フレディも、チャッキーも、レクター博士も、この世には存在しません。

 彼らはたらこを殺しに来たりはしない。


 でも……大人になった今でもトラウマになるような作品には、そう言ったフィクションの垣根を飛び越えてくるような怖さがあります。


 じゃぁ、どんな作品なんだよって話ですが……特定の作品をあげるよりも、どういうシチュエーションか説明した方が早いかと思いますので、そちらをお伝えしようかと思います。


 ズバリ、密室で行われる虐待や暴行、そして処刑です。


 逃げ場のない状況に追い込まれ、じわじわと肉体的または精神的に痛めつけられ、衰弱して死んでいく。

 あるいは、密室で一方的に暴力を振るわれ、処刑される。


 そういうシチュエーションのお話がトラウマになります。


 これは書き手の描写力にもよりますが、物語の中でこういったシチュがあると、トラウマ警告サイレンが鳴るのです。

 これ以上読み続けると、脳裏に焼き付いて後で困ったことになるぞ!

 たらこの理性が必死に呼びかけます。


 でも……読んじゃうんですよねぇ。

 そして後で後悔する。


 このシチュエーションの「怖さ」がフィクションの垣根を越えて絶大な恐怖を与えてくるのは、現実で起こりうるという意識があるからではと、最近思っています。


 ただ、現実に起こりうると言っても、実体験を伴わなければさして苦痛は感じないのですよ。


 例えば飛行機事故とか交通事故とか、あるいは高所からの落下などの偶発的な事故。

 こういうシーンを映画やドラマで見ても、痛みや恐怖が想像しづらいので平気。苦痛の度合いが理解できる範疇を超えているんですよね。


 ですが、たらこに密室で暴力を受けた経験なんてありません。

 実体験を伴っていないのに、どうしてフィクションの範疇に収まらない恐怖を覚えてしまうのか。


 これには答えがあります。

 ――人間関係なんですよ。


 密室で脱出不可能な状況って、つまりは誰かに監禁されているってことなんです。

 その誰かに精神的にも、肉体的にも支配されて、抵抗できない状態に追いやられる。


 人間関係で悩むことが多いたらこにとって、支配して来ようとする存在は何よりも怖かったりします。

 何故なら抗える気がしないから。


 ファンタジーの世界で、ドラゴンやオークやゴブリンが出て来ても、大して怖く感じません。

 近づかなければいいだけの話なんですから。

 ゾンビや吸血鬼や幽霊だってそうです。


 でも――唯一人間だけはそうもいかない。


 ニコニコと親しみやすい笑みを浮かべて近寄って来て、こちらの警戒心を解いて懐柔し、気づけば離れられない状態にまでくっついて来て、都合のいいようにコントロールする。

 そんな人間と出会ったことがありますか?


 たらこは幸い、リアルでは未だに出会ったことがないんですけどね……。

 あの事件とか、あの事件とか思い出すと、自分があの犯人たちと出会っていたら、どうなるんだろうって怖くなります。

 もしくはあの事件の当事者だったら無事に逃げられたのだろうとか、あの現場に居合わせたらちゃんと抗えただろうかとか。


 よく言われる話ですけど、生きてる人間が一番怖い。

 そして、フィクションの世界でもそれは同じで、人間が与えてくる恐怖が一番現実的で、想像しやすくて、身近に感じてしまいます。


 




 現実に起こった事件はしばしばフィクションの世界に影響を及ぼします。


 現実との関連性を見出してしまうと、フィクションを超えた恐怖を覚えてしまうのです。

 日常が少しずつ非日常に侵食されていくような恐怖を――






 皆さんにとって、トラウマになった作品ってなんですか?

 その作品は日常に影響を及ぼしましたか?

 現実的に起こりうる事柄を扱った内容でしたか?


 皆様の日常は、まだ、無事ですか?

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― 新着の感想 ―
動物が惨殺される筋が苦手です。 幼い頃よんだ可愛いちぎり絵の 絵本がバッドエンドすぎて。 何も悪くない主人公のこうさぎが 落とし物の赤ちゃんの帽子を 届けようと人間の母子を 待ちつづけ、ついに…
[良い点] 初めまして、何作かエッセイを拝見させて頂いだ事がある通りすがりの読専で御座います。 [気になる点] 私は霊感が無いので『ホラー』にあまり直接的な恐怖を感じた事はないんですが『傑作カルト映画…
[良い点] 面白く読ませていただきました。 トラウマ作品についての考察でした。 人間だけは避けられませんものね。これは日々痛感しています。←痛感するなよなんですが人間怖いと思う瞬間がある笑 読ませてい…
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