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14、2人の関係は

「まあ、そうなるよな」

財前くんはこないけど、秀ちゃんと体育館裏で待ち合わせしたしていたからそのままお昼ご飯を一緒に食べた。

そんな秀ちゃんの一言がこれだった。


「なんで秀ちゃんはそんなに冷静なの?」


「なんとなくわかるだろ?財前くんや聖王高の生徒ってやっぱり世界が違うんだよ。育った環境が違うから価値観は合わないだろうし。財前くんは柔軟で俺たちに平等に接してくれるけど、財前くんみたいな人は少数派だと思う。今までも隣同士の高校なのに50年以上も閉鎖的だったんだよな。不思議だよな。葵は知らないだろうけど、テニスの交流試合決まったときは奇跡が起こったなんて言われてたんだよ。まあ、試合は聖王でとか条件はあったらしいけど」


確かに奇跡なんて言われていたのは知らなかった。

軽い気持ちで秀ちゃんに誘われたから、なんとなく観に行っただけだ。


確かにギャラリーは多かった。

公式試合かっていうぐらいの人の多さと応援に驚いたけど。


「私と財前くんが友達っておかしいのかな?」


「そんなことはないって言いたいけど、信じない人や不思議に思う人はいるだろうな」


「恋人とかならありえないってわかるけど、友達だよ?!」


「じゃあ聞くけど、葵は財前くんのことどう思っているの?今は友達でも、いずれ恋人になりたいとか思ってないの?」


「思ってないよ。私達はお金で繋がっているから離れられないし、一生かけてお金返していきたいなと思っているけど、やっぱり普通の関係とは違うから」


財前くんのことを考えると、同時にお金のことが頭をよぎる。

普通に好きとか考えられない。

そうすると、やっぱり私達ってお金で繋がっているんだななんて改めて思ってしまうのだ。


ふと秀ちゃんを見ると、青い顔をして口をパクパクさせていた。

嫌な予感がして後ろを向くと財前くんがいた。


財前くんの顔色は良くないし、いつも人の目を真っ直ぐ見て話すのに下を向いている。


「なっ、なんとなく篠原さん達がいたら申し訳ないなと思って一応来たけど、話・・・聞こえて。なんかごめん」


財前くんは聖王高の校舎へ走り出したのを見て、傷つけてしまったかな?と不安になった。


普通の関係と違うとか。お金で繋がっているとか。


傷つけてしまったかもしれない。

財前くんは私と仲良くなりたくて、ずっと好意的に接していてくれたのに。


財前くんはいつもお金のことは気にしなくていいと言ってくれていたけど、やっぱり私は気になっていたのは事実だ。


でも財前くんのこと好きだし尊敬しているし大切に思っている。

それだけでも伝えたい。


追いかけようにも、学校が違うし、フェンスが邪魔で追いかけられない。

もどかしい。


「財前くん!」

と大きな声で呼んでも、財前くんが振り返ることはなかった。


でも、また後で会えるからいいかとこの時は楽観的に考えていたのだった。


_______


【ごめん、しばらく会えない】


放課後、財前くんから来たメールの画面を見て私は固まった。


財前くんがしばらく会えないっていうなら、会えないんだけど。


でもこのままほっといていいもの?

しばらくってどのくらい?


このまま会えないままでいたら、財前くんとの関係は終わってしまうかもしれないと、なんとなく思ったら、怖くなった。


お金だけで結びついている関係だから、関係は脆い。

仮に財前くんが私に飽きたら終わりだろう。


それに今までだって、財前くんから会う日程や日にちを決めてもらって、ただ行くだけ。

この前の日曜の学校だけは自分から誘ったけど、私は常に受け身だった。


はあ。

何度目になるかわからないため息をつく。

考えても、考えても答えは出ない。


「ねえねえ、一緒にいるところ見たんだけど篠原さんって聖王の君と仲がいいの?」


と、この前に財前くんのことを聖王の君と言って騒いでいたクラスメイトに話しかけられた。

ちなみに同じクラスになって話したのはこれが初めてだ。


「うん。も・・・」

もちろん仲がいいよと言いかけたけど、果たして本当にそうなのか自信がなくなって言葉が出なかった。

私達って友達だよね?

でもお金で繋がっているから違うのかな?

普通とは違う関係のような気もするけど、私は仲がいいと思っているけどそう思っているのは私だけかな?


「いいなあ。良かったら私の事紹介してくれない?私も仲良くなりたいし」


も・・・以下の言葉が出なかったことはスルーされた。

財前くんに紹介か。

そんなことしたら、絶対怒られそうだ。

仮にも私の事好きって言ってくれているのに。


「ごめん。それは無理」

普通に断ったら、クラスメイトの顔色が変わった。

私みたいな地味な女に断られると思ってなかったのかな?


「何?それって聖王の君を狙っているから?でも残念。貴方はしらないと思うけど、聖王の君には婚約者がいるんだから、恋人とかつき合うとか絶対出来ないんだからね」


クラスメイトは捨て台詞を吐いて諦めて去った。


そして、クラスメイトの台詞にショックを受けている自分に驚いていた。


何でだろう。

別に恋人になりたいなんて思っていなかったのに。


確かに財前くんは私の事を好きとは言ってくれたけど、つきあってとは一回も言われていない。

それって、婚約者がいるから?


婚約者って、未だ高校生なのに?と思ったけど、お金持ちの家ならありそうだ。


確かに私とつき合っても、結婚しても財前くんにはなんのメリットもないかもしれないけど。


なんでそれなら私の事好きって言ったの?

なんで私を助けてくれたの?


そしてふと考えた。


財前くんの好きってどんな好きなの???


私が財前くんを好きになれば、両思いになって解決と思っていたけど、勘違いだったかもしれない。

恥ずかしい。


ああ、穴があったら入りたい。




















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